2018年4月20日金曜日

無神教、一神教、多神教、其々の文化圏でのトラブル解消法の違い

1)無神教は、神がいないと信じる人たちを分類するための言葉である。神など存在しないと言い切るのも宗教の一種と思われるからである。何故なら、科学的には神が存在するとも、しないとも言えないからである。(補足1)

一神教はユダヤ教、キリスト教、イスラム教などを指す。同じヤハウェ神の信仰なのに教義に違いがあるのは、宗教改革の結果だろう。また、その間、神は沈黙されていたのだろう。

無神教と一神教は似て居る。それは価値や善悪の基準を原点に置くからである。善悪で言えば、原点にあるのが善であり、そこから離れるのが悪である。その原点に自分が居ると信じるのが、二つの宗教の共通点である。

二つの宗教の違いは、無神教では神が居ないことであり、一神教は自分が神と同じ処に居ることである。

多神教は両者とは異なり、価値や善悪の基準は自分の外にある。自分も他者も、何かあればその基準を探すという努力しなければならない。多神教の信者が作る国で私が知って居るのは、我が日本国である。

一神教の国とは、例えば英米などヨーロッパ、無神教の国はどこかはここでは敢えて言わないでおく。

2)人間は互いに協力することで社会を造って生きて居る。この協力とは、自分の権利の一部を公に預けることである。その段階で、ともかく原点から部分的であれ自分が退去しなければならない。(補足2)

社会を造り生きているとしても、トラブルはつきものである。しかし、トラブルの解決をしなければ、正常な社会を回復できない。その解決のプロセスに、これら3つの宗教信者で、大きな違いがある。

トラブルの解決は、原因を探すことから始まるのだが、無神教と一神教の信者は、必ず相手側にその原因を押し付ける。それは、原点に自分がいるのだから、トラブルが生じるとすれば他者が原因である筈と考えるからである。

一方、多神教の信者は、トラブルの原因を探すとき、自分と相手側の両方を含め、その間を探す。そのため、同じ宗教の信者の間のトラブルなら、その解決が一番早いのは多神教信者の間のトラブルである。(補足3)

無心教の信者間でトラブルが生じた場合、その収束は極めて困難だろう。力での解決以外にないだろう。運良く国家が存在した場合、国家権力がその収束に当たるだろう。

一神教信者間のトラブルでは、当事者双方ともに必ず自分が善であると思うので解決に時間がかかる。つまり、何方が原点である神の位置に近いか、その決定を第三者に委ねることになる。

つまり、裁判制度を一神教信者が考え出すのは、必然である。多神教信者は、裁判をする前に当事者双方が解決に至る可能性が高いから、そのような面倒なことでGDPを嵩上げする必要がないのである。

あと一点だけ指摘して、話を一応終わる。

最後の一点:それは、以上の点を日本は外交上常に頭に置くことが必須である。一神教の国は未だ良い。公平に判断できる第三者を探せば、トラブルの解決は可能である。しかし、無神教の国とは、力しかトラブル解消の方法がないことである。(補足2参照;続編はできれば数日後に書く予定)

補足:
1) 人間が作った知的体系として、科学は最高の緻密制と整合性をもつ。従って、科学的認識法は最も広い範囲の人々が共有できる。 2) 一神教であれ多神教であれ、人間は宗教を信じる前に社会性を持っている。従って、自分を絶対的な神の原点に置くことに抵抗感が残っている筈である。従って、ここでの議論はあくまでも単純化したものである。 念のため、補足します。
3)所謂落とし所を双方が探す。この時、どうしてもゴネ得が発生する。それが多神教信者の侵しやすいミスである。 (18:00編集)

2018年4月19日木曜日

ハラースメントと犯罪を明確に区別すべき、また、セクハラ防止には男女双方向が努力すべき

人間社会は、色んな人がいて成立する。人間社会は非常に広く、その中で生きる人たちも様々な性格をもつ。職業により人の性質が変化していく場合もあるし、人の性格が幅広く分布しており、様々な職業に就くときに適当に性格に従って分配されるのかもしれない。

粗野な人、温厚な人、厳格な人、気の長い人、短い人、人が好きでやたらと距離を縮める人や、孤独を愛する人などなど。それら別種の人格(性格)を持つ人たちは、それぞれ気のあったグループを作って職場でその他の社会で生きて居るのが人の世界ではないだろうか。

それらの別種の人間が、ちょっと袖触れ合った瞬間に、片方は普通の言動や態度であっても、他方は非常に腹立たしく思う場合があり得る。それが、所謂ハラースメントと呼ばれる“イザコザ”だろう。それに対して国会が出しゃばって、更に、報道機関が金になるからという浅はかな動機で問題にしたのが、今回のセクハラ騒動ではないだろうか。

ハラースメントは原則関係者間で解決すべき問題である。この種の個人間の問題解決に法が出てくるのは、第二の段階である。つまり、法は最小の道徳であり、法で罰せられる以外の所謂ハラースメントは、第一に個人間で解決すべきである。

一方、法に触れる行為は処罰され、犯罪と呼ばれる。そのような行為なら、ハラースメントというわけの分からない外国語を使うべきではない。迷惑行為で、国会が占領されたり、行政府の事務次官を解雇したり、辞任を強要したりするのは異常である。野蛮国か、多数の他国のスパイが国家機関の機能を妨害するようになった、病的国家の出来事だろう。

また、職業にふさわしい人格、場所にふさわしいマナーはある。しかし、女性と男性が同じ空間で生活をし、仕事をする場合には、男性に相当の配慮が必要だが、女性にも同様の配慮が要求されるべきである。

セクハラは双方向から防止を考えるべきである。若い女性が、天下の公道をスケスケルックのミニスカートで闊歩するのは、男性に対するセクハラである。女性側にセクハラ防止の努力が足りないことを指摘したい。女性がセクハラで訴えられたという話を聞かないのは、単に行為の方向性によるのだろう。

また、仮にセクハラ等が発生しそうな場所に、それを起こしそうな人を採用した場合、そのセクハラ1-2件でただちにその人を解雇したりするのは、選任した側の責任を選任された側に押し付ける行為である。

兎に角、迷惑行為で人の人生を破壊するような仕置をするのは、独裁国家のやり方である。日本はマスコミ独裁なのか?

2018年4月18日水曜日

拉致問題を政治利用する日本政府は卑怯である

日本政府によれば、拉致問題が日米首脳会談の重要な項目としてあげられている。これは非常におかしいことである。なぜなら、拉致問題は日本政府独自の問題であり、その他にどこの問題でもないからである。(補足1)日本政府のトップが、今後も政権を維持できるように、日本国民の方を横目で見ながら、トランプ大統領に拉致問題を訴える姿は異様である。

日本政府は、そして、日本国民は、まるで米国が日本の保護者なのだから、子供である日本がその被害を保護者である米国に訴えるのが本来の姿であると考えているのだろうか。

日本がまともな国ではないのなら、自分たち政権与党が先ずまともな国にすべきである。そして、その様に憲法改正などの法整備を進めるべきであると、日本国民に訴えるべきである。それに日本国民が同意しないのなら、政権を降りるべきである。

その結果、どのような被害にあったとしても日本国民の自己責任である。その被害の中で、日本国民は目覚める筈である。自民党政府は、その日本国民を半覚醒のままに戦後75年間維持するという、トンデモナイ悪政を敷いてきたのである。それは自分たちが政治屋としての職業を維持するためである。(補足2)

日本人が外国人により、白昼日本国内から連れ去られたことは、100%日本政府の責任である。外国人は国交のない国の人間であるから、その外国人を射殺するなりして、拉致を防止すべきであった。それが出来なかったことに対して、日本政府は被害者家族に保障をしたのか? 謝罪をしたのか?そして、今後そのような事にならないように日本国を作り直そうと、拉致問題との関係を明言して提案したか?

この問題で、社民党のみを批判する声が多い。例えば、下の記事などである。辻元清美氏は北朝鮮に占領時の保障していないのに、拉致被害に関して北朝鮮を非難するのはおかしいなどと言っているようだ。これもトンデモナイ言葉であることは確かである。https://ameblo.jp/matsumotokyosuke/entry-10603683375.html

しかし、この種の記事では社民党を批判するだけで、自民党やその政党員が一貫して作ってきた日本政府を批判する声がない。

更に、拉致されたこととその国名や場所がわかったのなら、彼等を奪回すべく軍をもちいて、取り返すように行動すべきであった。その準備のかけらもしないで、何が拉致問題だ。そんな問題は、その行動を日本国がとらないと決めた(実質的に決まった)段階で消滅しているのだ。

ソレにもかかわらず、拉致問題を事あるごとに出して、日本国民を誤魔化している。誤魔化す方、誤魔化される方も、そして、憎まれ役を買って出て、日本国民を半覚醒状態にする自民党に協力してきた日本社会党も、全て問題である。三方全て悪質である。

今回の首脳会談では、北朝鮮が核兵器をもったまま政権維持をしそうなら、日本は核武装を考えて、そのための相談をトランプとするぐらいが本来の国家の姿である。一体何をしにワシントンに行ったのだろう、親分への北朝鮮対策についての陳情? 北朝鮮のCVID(補足3)だけを訴えることと、拉致問題? 冗談ならやめてほしい。 

蛇足:
米国は米国の利益の為に動く。それはCVIDをごまかして、ICBM抜きでの核保持を認めて和平を築くことである。その後の対策には日本に金をださせることである。これはすでにブログに書いたように佐藤優氏の分析である。https://www.youtube.com/watch?v=Oc0t8EgvE2I&t=338s 

一方、馬渕睦夫氏は完全にCVIDでの北朝鮮の核放棄を信じて居る。最近の謎の一つである。https://www.youtube.com/watch?v=xwhTg32W8CA

補足:

1)この件は何度も指摘してきた。例えば、https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43212986.html を参照してほしい。

2)日本社会党と自由民主党が、悪玉と善玉を演じて、日本国民を永遠の半覚醒状態に置く体制を55年体制という。

3)CVID=complete verifiable and irreversible dismantlement;完全、査察付き、不可逆な核廃棄

2018年4月17日火曜日

パワハラやセクハラは犯罪なのか?

1)最近のニュースでパワハラやセクハラが話題になることが多い。今年のピュリッツァー賞にハリウッドの大物プロデューサーのセクハラ疑惑を報じたニューヨーク・タイムズ紙とニューヨーカー誌が公益賞を受賞したという。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180417-00000023-jij-n_ame

ここ数日の日本のニュースでも、財務事務次官のセクハラ疑惑が問題になっている。それで公務員が職を失う可能性があるという類のニュースが流れると、刑法か何かに新しい条項が出来たのかと思う程である。今日のテレビのバラエティ番組でも、肩をぽんと手のひらで叩いた場合でも不愉快になる場合もあるので、セクハラにならないように気をつけるべきだという類の発言もあった。http://lite-ra.com/2018/04/post-3955.html

これらの報道に、私は非常に不思議で不愉快な印象を持った。世間知らずの老人と言われることを覚悟の上で言うが、嫌な男に肩を叩かれたら、上司であっても「やめて下さい!」と言えば良いではないか。官庁の事務次官相手でも、セクハラ発言をしたのなら「そんな失礼な言葉は許しません!」とその場で言えば良いではないか。

それをグチグチとセクハラとかパワハラとか言ってその場は何もしないで、後で集計して社会問題化するのは、あまりにも情けない。或いは、その時点ではそのような発言や態度を許すことで、取材等で便宜を得て、ずっと後で週刊誌に記事のネタとして売り飛ばしたとしたら、それこそ犯罪ではないのか。

2)パワハラやセクハラのハラースメントは嫌がらせや迷惑位の意味を持つ言葉である。それらは、その場で相手に指摘するなどして、解消すべきことである。それほどプライドを傷つけられる職場なら上役にその指摘を先ずすべきである。その結果、職場をクビになったのなら、その時点で不当解雇として訴えるべきである。

パワハラやセクハラをした人に対して、一回だけの“嫌がらせ行為”でクビを切るのは異常だし、繰り返しその種の嫌がらせをさせ続けた上で、それをまとめて借金伝票の束を叩きつけるようにしてクビを切るのも異常である。いったいこの社会はどうなっているのか。その異常な社会に関して、報道機関などで発言できる人たちが何も言わないのはどうしたわけか。記事のネタが消えるから言えないだけなのか。

私企業がハラースメントであれ、何であれ、契約に違反しない形でクビを切るのは正当な行為である。その種の解雇は、セクハラやパワハラの問題ではなく、不必要な人間だからパワハラ行為などの証拠を利用してクビを切ったということだろう。多くの人はその職場以外で働く能力は持っているだろうから、その件はセクハラやパワハラの問題ではなく、労働力の流動性を高めれば解決する別の問題ではないだろうか。

一方、実際には法的責任をとる必要がある場合もある。しかしその場合は、刑法に違反する“古典的”な犯罪であり、それには明確な犯罪名がある筈である。つまり、セクハラやパワハラと言われる行為一般で法的責任をとる必要はない。もっと丁寧に言葉は使えないものか。兎に角、西洋語をありがたがって多用することで日本の言語環境が汚染されている。環境破壊の一種である。

2018年4月11日水曜日

国会議員の質の向上のために何をすべきか?

国会議員の質の向上を国家の大計とすべきである。それには、①一票の格差の完全撤廃、大選挙区制の採用と、②国会議員間の双方向の総合的政治討論を公的に行い、それをテレビ放送する。

1)政治議論と政治家の質の現状について:

現在の政治家の議論は、政府の施政方針や予算案に関して、国会議員が質問するタイプがほとんどである。昨年8月に江崎鉄磨・沖縄北方担当相(当時)の発言でも分かるように(補足1)、内閣の方針は概ね従来の方向で官僚が作るか、方向から外れたタイプの方針については官僚のフィルタリングを通してつくられる。

現在日本の政治は”保守政治”とよばれるが、それは官僚独裁政治の包装紙に過ぎない。つまり、今の保守政治とは、日本の与党内閣を精一杯持ち上げて付けた政治名称である。鳩山内閣や菅内閣は、政治の主人公を誤解してしまったため、革新内閣というより自壊内閣であった。官僚のフィルターを通らないことばかり言っていたのでは、自然崩壊するのは必然である。

そんなわけで、国民が聞いている国会の審議とは、官僚対野党議員の討論に過ぎない。国民は、官僚の脚本で喋る内閣閣僚(とそのトップ)を見ているので、政策討論のように感じているが、誤解だろう。また、野党議員がやっていることは、国家の政治を創造的に議論するのではなく、単に政治の粗探しである。

2013年から話がややこしいくなった。それは、俳優である内閣が、官僚の人事権を握ってしまったことである。(補足2)そのために、まともな脚本をもらえなくなった内閣は、外交においてもひどい失態をすることになりそうである。今回の北朝鮮問題で、日本に対する配慮がほとんどされていないのは、外務官僚がまともに働かなかったからだろう。佐藤優氏はそのような解釈をしている(と私は感じる)。https://www.youtube.com/watch?v=Oc0t8EgvE2I&t=157s (動画の最初の7分間)

2)国会議員の質の向上の為の二つの改革:

表記実現のためには、以前書いたように、日本全国から政治家を選ぶ方向で選挙制度を改めることが大事である。それには、①一票の格差の完全解消と、大きな選挙区から議員を選ぶことである。国会議員は国家の政治を考えるのであるから、我が県に新幹線の駅を作るとか、大学の獣医学部を作るなどという下らないことに関わらせないことが大事である。

その次に、国会議員に勉強をしてもらうことである。一旦官僚の支援が得られないと国会答弁がどうなるかを、田中直紀防衛大臣の時に見た通りである。(補足3)https://www.youtube.com/watch?v=3Nj8oqH7G6Q

勉強は、議論を経て身についた知識になる。それは、大学の研究室のセミナーでだれもが知ることである。つまり、そのセミナーに代わる議論の場を現状行われている施政方針とそれに対する質問という形以外で、公的に作るべきだと思う。②それは与野党一緒に、官僚抜きでテーマを決めて議論し、それを電波に乗せて日本中に配信する。

例えば、チャネル桜では、3時間かけて一つのテーマを決め、七人程度の代表が総合的議論している。https://www.youtube.com/watch?v=16qNbZU3yuc&t=7189s そこでのテーマが、広い裾野からの議論を要するために、参加した人の総合的な視点からの論理展開力や専門的知識のレベルが表に出る。国民はそれを見て、一緒に考えるとともに投票すべき国会議員を決めることができる。

現在類似の場として、NHKの政治討論がある。しかし、そこでなされているのは具体的問題に対する国会答弁類似の議論であり、与野党議員の役割があらかじめ決まっており(補足4)、想像力も創造性も発揮される議論の場ではない。上記チャネル桜の議論のように、「激変する世界の真実」などの大きなテーマについて、総合的な議論をすべきである。具体的政治課題についての討論では、あらかじめ脚本がある政治劇に過ぎず、議論とは言えない。

それらの結果、国会議員の力は飛躍的に上昇するだろうと思う。如何でしょうか?

補足:

1)江崎鉄磨・沖縄北方担当相(当時)は、昨年8月、今後の国会答弁で間違いを避けるためとして「役所の原稿を朗読する」などと発言した。
2)官僚組織が自己完結した組織として維持されるには、組織の論理で人事が決定される必要がある。
3)質問者の佐藤正久氏は防衛大学校を出て2009年には自由民主党国防部会長をやっている。防衛問題の専門家が、素人上がりの大臣に、専門知識を問うている。つまり、この時の質疑には別の意図があったとしか思えない。
4)そこでは、犯人が内閣であり、弁護人が与党議員、検事側が野党議員が務める劇に似ている。

2018年4月9日月曜日

拉致問題は比較的小さい問題である:拉致問題とは独立に日本の防衛をかんがえるべき

1)北朝鮮問題をほぼ拉致問題に等しいと考えることで、北朝鮮の核保持の問題を相対的に小さく見せようとする勢力が日本の内外にいる。何度も言うが、拉致問題は日本政府が国民を拉致されたという問題であり、責任は日本政府にある。それは既に起こったことだと認識されるべきである。彼らの家族に対する賠償は、日本政府がすべきである。それが、差し当たり第一の解決である。

もちろん、生きておられる可能性があるのなら、第二の問題として通常の外交的手段により奪還すべきという話になる。過去の問題を、時間の針を元に戻して解決すべきという考えは非現実的であり、過去が現在を左右してはいけないと思う。これを誰も言わないのが、この問題に対するこれまでの議論の決定的な間違いだと思う。(補足1)

その奪還を可能にする為、日本が独自軍を持つように憲法を改正すべきである。更に、北朝鮮などが核兵器を保持するのなら、日本も核抑止力を持つべきである。外交力の第一は軍事力であり、それに大差がある状態で、まともな外交とそれによる拉致被害者奪還は不可能である。外交力の第二が対話による交渉力である。何方も日本は最低だろう。

拉致被害者の会の方々は、拉致された家族の奪還のために、そのような主張をしたか? 一言も日本の憲法改正や核抑止力のことに言及しなかったとすれば、最初の節に述べたように、単に日本政府に保障を要求するにとどめるべきである。つまり、彼らは別の政治運動をしているように私の目には映る。

拉致問題を過大視することで日本の外交を歪め、1億3000万人の将来及びその子孫の将来、つまり運命と、現在の拉致被害者の北朝鮮からの引き取りを、天秤にかけるようなことは絶対に避けるべきである。

2)「トランプ大統領は、北朝鮮の核問題をどのように決着をつけるつもりなのか」について、諸説ある。もっとも、強硬な姿勢をとるだろうと言っているのは、今やマイナーな存在である。

以前のテレビ番組か何かで、米国共和党のスタッフを10年勤めた中林美恵子氏は、「トランプの方針はオバマ政権時の政策を否定することである。オバマ政権の時になされたイランとの核合意は、イランの核開発を凍結すること、それが実行されているかについてIAEAの抜き打ち査察を受ける、と言う素晴らしい内容だが、トランプはこれでは手ぬるいという理由で廃止する意向を既に示している。トランプは核保持のまま北朝鮮と和平をすることはできないのは、このイランへの政策との整合性がとれないからである」と語った。(補足2)

しかし現在、トランプはイランとの核合意を維持している。トランプは一応見直しを主張する一方、イランが核合意離脱を示唆して、トランプ政権を牽制している状況である。 https://mainichi.jp/articles/20180223/k00/00m/030/229000c つまり、トランプは自分の言葉の整合性だけが、北朝鮮に核保持を認める際の障害なのだ。

大統領候補だった時トランプは、韓国も日本も核兵器を持てば良いと言っていた。元々トランプは、東アジアに米国が介入してきた従来のアメリカの姿勢を改め、東アジアは東アジアに任せたいのである。

金正恩が習近平を訪問したのち、トランプは習近平から①「金正恩委員長との会談がとても上手くいったと報告を受けた」②「金正恩が私と会うのを楽しみに待っているとのメッセージを受け取った」③「金委員長が国民や人類にとって正しいことを行う可能性は十分にある。楽しみだ。」と米朝会談への意欲を表している。

その上で④「残念ながら、最大限の制裁と圧力はあらゆる手段で続けなければならない」ともツウィターに書き込んでいる。https://www.youtube.com/watch?v=CIWVG7xFbsg (3月29日、ANNニュース)

金正恩は習近平との会談で、「南朝鮮(韓国)と米国が善意をもって応じ、平和実現のために段階的、共同歩調の措置を取るならば、非核化の問題は解決できる」と表明したと報じられている(3月28日午前13時の毎日新聞)という話を知っているのなら、なぜ上記②や③の内容のツウィートができるのか。つまり、④は申し訳程度に付け加えたものと断言できる。

北朝鮮問題は、かなり以前から習近平、文在寅、トランプの間で綿密な協議がなされており、中朝会談でそこに金正恩が加わったとみなすべきである。上記ツウィートがそれを示している。これで、北朝鮮の核保持のままの和平が確実になったと思う。つまり、完全、常時査察、不可逆な核廃絶(CVID)は条件ではなくなるだろう。

ただ、イラン合意と同じ内容の同意を米朝でするわけには行かないだろう。そこで、表だけ、相当強い表現の核廃棄案をまとめて合意するだろう。しかし、その見張り役として、中国を当てることで、実質無査察に等しい合意となるだろう。私は、素人ながら、そのように思う。

日本は元から、独自の核抑止力を含んだ軍事力をどのように構築するかを議論及び交渉すべきである。しかし、そこに拉致問題など割り込ませてはいけない。トランプ会談は、本音を話し合う場であり、まどろっこしい外交的やりとりなど不要であり、トランプはそんなことに無関心であると思う。トランプに、日本の核武装に対する助力の開始を迫るべきである。

しかし、そんな芸当はできそうにないだろう。もうこの国は、北朝鮮の財布に成り下がるのだろう。白紙小切手を渡せといわれて、「はい。拉致被害者を十人ほど返してください」というのが関の山だろう。

補足:

1)以下、何度も同じことを書くことになる。外交関係にない北朝鮮は、日本にとって自然の脅威と同然である。日本政府が本来対策を立てられる立場にあると言う点で、通常の自然の脅威ではなく、むしろ“山のクマ”に似ている。それが人を襲ったとしても、それは防げなかった日本行政府の責任である。
安倍内閣は、その喩えを延長すれば、「今後クマが人を襲わないように、山に餌場を造って大量の餌を置く。その為に、住民の非常食が少なくなっても仕方がない」という解決をする可能性がある。つまり、北朝鮮に事実上核兵器保持を認める米国トランプ政権の政策を追認し、その指示で北朝鮮の経済開発に多額の資金援助をする可能性がある。

2)以下の文章は昨年10月1日に書いたブログの内容から抜粋した。テレビ放送というのは、その中に引用したyoutube画像である。しかし、そのサイトは現在アクセスできない。(想像するのは、テレビ朝日の朝まだ生テレビである)

2018年4月8日日曜日

北朝鮮と米国は完全な核撤去なしの和平に合意するだろう:日本政府は拉致被害者救出を目眩ましにして国民を騙し、それを黙認するのか?

(4/8/15:40 最終版)

1)北朝鮮との体制維持の約束や平和条約の話し合いとその合意は、完全且つ検証可能で不可逆的な核解体撤去(補足1、以下CVID)が条件だというのが、米国の公式見解であった。そのことを報じた中央日報の記事が書かれたのが、3月3日の午前中である。http://japanese.joins.com/article/185/239185.html

その後、3月13日にティラーソン国務長官の更迭が、更に23日にはマクマスター安全保障担当補佐官の更迭が、報道された。新しい安全保障担当補佐官は超強硬派のボルトン氏だということで、日本の関係者もビックリしたようである。これで誰しもCVIDの原則を米国は絶対に曲げないと信じただろう。しかし、それは以前のブログで書いたように演出の可能性がある。

その流れの中で、金正恩は中国を訪問した。(補足2)この中朝会談で金正恩は、「南朝鮮(韓国)と米国が善意をもって応じ、平和実現のために段階的、共同歩調の措置を取るならば、非核化の問題は解決できる」と表明したと報じられている。(3月28日午前13時の毎日新聞)つまり、CVIDなんてとんでもないと考え、米国との間で貿易戦争を始めそうな中国の助力を得るべく訪中した様に見える。

しかし、金正恩が考える核廃絶の最終的な状態やそこへの具体的なプロセスなど、詳細は全くわからない。トランプ大統領を始め米側当事者は自信ありげだが、確かな見込みを持っているのだろうか。

実際には、米朝の考え方に相当の開きがあるように思える。それが下の記事にも書かれている。https://thediplomat.com/2018/04/north-korean-denuclearization-one-goal-different-interpretations/

記事によれば、駐韓大使代理(acting ambassador)のマーク・クナッパーは2日(月曜日)ソールでのフォーラムで、「米国のポジションは全く変わっていない。また、北朝鮮との会談の主なる目的は、CIVDは必要条件であり議論の余地の無いことを強調することである」と発言している。

更に、北朝鮮への接触に際しても、「米韓同盟は完全である。米国は文在寅大統領の“非核化の進展なくして北朝鮮との関係の進展はない”という方針を信じ且つ強く同意する」と言っている。

しかし、進展だけではCVIDを意味しない。これら代理大使の言葉は、全くの公式見解にしても、一貫していないように思える。

2)最近配信されたメルマガで、外交評論家の田中宇氏は、米国もCVIDを要求しないことは明らかで、米朝会談は彼等にとって成功するだろうと書いている。習近平もトランプも、CVIDは軍産共同体支配の米国が外国の政権転覆の道具として来たという見方で一致しているというのである。 http://tanakanews.com/180404korea.htm

田中氏は、北朝鮮は核弾頭の一部を隠し持ち続け、中国やロシアは、それを黙認せざるを得ないと現実的に考えている。そして、トランプも同様だというのだろう。田中氏は、米国の政治を裏から眺めるプロである。9.11についても米国の公式見解とは全く異なった見方をしている。つまり、いつもの英米特有の二枚舌外交をする可能性が大きいと見ているのである。

一旦開発した核兵器をCVIDという形で放棄するのは、リビアのカダフィの二の舞いになるので、非現実的だと田中氏は書いている。リビアと、ロシアと中国を近くに友邦として持つ北朝鮮は、かなり違う環境にあるのだが、それでも「核と政権と米国」の基本的力学は同じだろう。

日本としては、田中氏が考えているような米朝合意になりそうなら、少なくともその事実を国民に広く知らしめるべきである。

4月2日の虎ノ門ニュースの最初の方で、青山繁晴氏は米朝会談の開催の可能性が出た段階で、南北朝鮮の会談が具体化したという。つまり、それらの順番が最初だれもが思ったものとは異なるというのである。青山氏の言う通りなら、米韓は密接な連絡のもとに一貫した方針で、この問題の解決について話を進めていることになる。

青山氏もやはり、北朝鮮は核兵器の完全廃棄はしないだろうと言っている。https://www.youtube.com/watch?v=77z1JM2CrA4&t=2770s

この話は韓国代理大使の言葉の中にある“完全な米韓同盟”と重なる。米国は、既に裏では常識になっている“儀式的核廃絶合意”で話をまとめて、日本にはCVID、つまり完全且つ検証可能で不可逆な核廃絶、に北朝鮮が合意したという表看板をトランプの笑顔とともに見せるだろう。

その表看板を裏から補強する枠を打ち付けるために、首脳会談は全て米国主導で計画されたものだと言っているのだろう。

3)日本がなすべきことは、事実の把握である。そして、米国が表と裏を使い分けて、日本には裏を隠し通せると思わせないことである。つまり、米国に核廃絶の確認なしで(CVIDの原則に拘らず)北朝鮮を承認させないことである。

外交評論で著名な佐藤優氏も”口先だけ核廃棄”付き米朝合意を予想しており、米朝合意後に北朝鮮の経済開発のために、米国は日本に対して白紙小切手を北朝鮮に渡すよう要求するだろうと言っている。https://www.youtube.com/watch?v=Oc0t8EgvE2I&t=157s

その可能性があるのは、政権に近い青山氏が最初の動画で拉致問題の重要性を強調していることで想像がつく。(補足3)つまり、安倍総理が裏で、米国のCVIDの原則を放棄した上での北朝鮮の承認を黙認する代わりに、拉致被害者と言われる人たちを白紙小切手(補足4)と交換に北朝鮮から返してもらうという、合意をする可能性がある。

それで安倍政権は盤石になり、日本の安全が根底から毀損されるというシナリオである。吉田茂や佐藤栄作の対米盲従の姿勢を、その孫や兄の孫が繰り返すのである。

ただひとつ不思議なのは、佐藤優氏は上のyoutube動画の中で、文在寅政権の中の人が、トランプ大統領の政権内の人と上手くコネを創って、今回のCVIDなき核廃絶プランで話をまとめただろうと言っている。しかし、韓国の人たちは、核兵器を影で持つ北朝鮮が米国の政権保障を得ても、安心なのだろうか?

韓国の大衆も、日本の大衆同様真実を知らされていないのだろう。ただ、 文在寅氏は満足だろう。これで、文在寅氏は大統領を退いても、朴槿恵氏や李明博氏のように刑事訴追をうけることはないだろう。相当頭が良い人なのかもしれない。

補足:

1)この用語は、complete, verifiable and irreversible dismantlementの訳であり、CVIDと省略形で見出しなどに用いられる。
2)トランプ大統領が中国や日本からの鉄鋼やアルミに25%の関税を掛けると発表したのが、3月1日である。米国の強硬姿勢演出と米中貿易摩擦が金正恩の中国訪問を容易にしたのではないかとブログに書いた。本当のところはわからない。一時は以下のBBCの記事を正しいだろうと書いたが、これも全くわからない。 http://www.bbc.com/news/world-asia-43564834
3)何度も言うが、日本人拉致は日本政府が国民を拉致されたのであり、責任は日本政府にある。それは既に起こったことであり、遺族に対する賠償は日本政府がすべきである。取り返すのなら、憲法を改正して、軍事力を背景に交渉すべきである。その為に、日本の外交が歪められ、1億3000万人の命と子孫の命を天秤にかけるようなことは絶対に避けるべきである。
北朝鮮は日本にとって、外交上山のクマと同然である。クマが人を襲ったとしても、それは防げなかった行政の責任である。安倍内閣は、その喩えを延長すれば、「今後クマが人を襲わないように、山に餌場を造って大量の餌を置く。その為に、住民の非常食が少なくなっても仕方がない」という解決をする可能性があるのだ。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43611478.html
4)比喩的表現であり、白紙小切手など渡す訳がない。実際は日韓基本条約で韓国に渡した金を現在価値に換算した額程度の”協力金”だろう。