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2014年2月13日木曜日

イルカやクジラの捕獲に反対する理由として思い当たること

 和歌山県太地町などで、イルカなどを捕獲して食用にする伝統が続いている。それに対して、米国の駐日大使より”非人道的”という言葉を用いて、反対する意見が出された。一方、内閣は「長い伝統として残っていることに、他国があまり干渉すべきではない」という理由で、日本にその伝統を改める予定がないことを明確にした。また巷では、アメリカが昔鯨油をとるためにクジラを多量に捕獲していた時期があることを取り上げ、駐日大使の発言に不快感を示すつぶやきが多かった様に思う。このイルカ漁に時には犯罪的と思われる手段で反対するのが、シーシェパードという国際組織である。(イルカ、シーシェパード)で検索すればその活動や、それに対する日本人の反論(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1055846280)などが数多く表れる。私は、日本人として太地町の方々の生活を護りたいが、このブログの中で「太地町に保証金を出して、イルカ漁を止めたらどうか」という意見を書いた。

 ここでその根拠の一つとしてイルカの高い知能について最近知ったことを書きたい。それは、イルカは人間と同じく“自分という意識”を持つ動物であるということである。この”自分と言う意識”を持つ動物は、他に人間と類人猿しかいないとされている。ヒヒなどのサルには意識はないようである。もちろん、犬にもネコにもこのような、“自分という意識”がない。自分と言う意識は、自動的に“他人”にも同様の意識があるという考え方の発生を意味する。つまり、犬やネコは“自己”と“その他外部”という二つの世界しかないが、人間など“自分という意識”を持つ動物は個体毎に”自分の空間”が存在することを知っているのである。今後、感覚器官とその情報を処理して運動する、コンピュータを搭載した高度なロボットが作られるだろう。しかし、ロボットと人間の違いを考えると、それは現実以外を想像することにある。「我想う故に我在り」ということばが成立するには、”自分(=我)という意識”が不可欠である。

 これについて記した本は、「内なる目」(ニコラス・ハンフリー著、垂水雄二訳、紀伊国屋書店)である。“自分という意識”を確認する最も判りやすい実験は、鏡に映った自分の像をどう見るかを試すことである。犬やネコは、決して自分の像であることに気付かない。(注1)しかし、2歳以上の人間やチンパンジーなどに加えてイルカは、自分の像であることに気付くのだそうである。自分の像であることに気付くことは、他の似た姿の者も自分と同じ心(内なる自分)を持っていることを知っていることになる。
 因に、我々20世紀生まれの人間は、通常2歳以前の記憶がない。(注2)長期の記憶と“自分という意識”の関係については、上記本には何も書かれていない。また、幼少期の家庭や教育(の環境)が人間としての成長に非常に大切であることとの関連についても、これから考えてみたい。
(Feb/13/2014)

注釈:
1)これは学習の問題ではなく、遺伝子のレベルの問題なのである。
2)ここで、20世紀生まれの人間と書いたのは、単に21世紀生まれの人間は発達が早いだろうと言うだけの意味である。
(Feb/14/2014追加及び語句修正)

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