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2014年4月13日日曜日

小保方氏の会見と武田教授の擁護発言を観ての感想:

 この件、もう書かないでおこうと思ったが、中部大の武田さんの発言をyoutubeでみた(注1)のが刺激になり、もう一度短い文章を書く気になった。
 小保方氏の会見をテレビで観て、二つの場面が印象にのこった。一つは、「スタップ細胞作成の手順を細かい所まで公開してはどうか?」という質問について、小保方氏が「次の研究などもあり、それは出来ない」とその件に否定的だったこと。二つ目は、「理研に裏切られたと思いませんか?」と理研の対応について意見を求められた時に、非常に理研に気を遣って「裏切られたと思うべきではない」と言ったことである。
 最初の点は、彼女がスタップ細胞の作成に自信がないことを明確に示している。何故なら、公開して他の研究所で次々にスタップ細胞が作られたなら、彼女はノーベル賞を始めとしての栄誉を得、科学者としての地位を一生保障される筈だからである。特許云々の問題は、理研が彼女の業績に否定的になっている今、全く気にする必要は無い。その意味では、自分の科学者としての栄誉を最優先できる恵まれた位置にいるのである。次の「理研に裏切られた気持ち」についてであるが、自分の大切な論文の内容を否定されたのだから、本来なら激しく反発する筈である。従って、自分の研究者としての地位を失うかもしれないので、理研に気を遣って慎重な発言になったと思わざるを得ない。
 あの論文が本来の彼女の研究成果であるなら、二つの印象に残った場面において、彼女の態度は互いに矛盾している。彼女が“成功したスタップ細胞作成の為の詳細な実験手順”を発表したのなら、理研幹部のネガティブな審査結果など吹っ飛ぶ位の援軍が、世界各国から出現する筈だからである。
 この件で、武田教授はyoutubeに意見を述べておられる。 (注2)武田教授の意見は、故意にデータの捏造が彼女に無かったとしたら、全くその通りである。しかし、そのデータ捏造の有無はこの件の中心に位置するので、その仮定を元に分析するのは的外れと言うしか無い。武田氏の発言にあるように、あのNature論文二報を殆ど自分で書いたのなら、彼女の科学者としての能力は卓越しており、未熟などという言葉で形容するのは失礼極まりない。しかし、会見において小保方氏は自分で自分の未熟さを認めておられる。彼女が自分の発想でテーマをたて、実験でデータを得、そして論文の第一稿を書いたのなら、口から出る筈の無い台詞である。因に、武田氏が述べておられる様に、発表された科学論文が全て真実を述べていると考えるのは、素人の誤解である。科学論文は、科学者が自説を展開して発表したものであり、正否はその後の研究が明らかにすることである。従って、人細胞起源のスタップ細胞が在るか無いかの検証は理研の仕事ではなく、今後学会の評価として自然に決着がつく。理研が検証実験を公金で行なうことなど、全く理解できない。以上、武田氏は、科学界の慣習を述べているに過ぎないのであり、今回のケースにはほとんど参考にならない。(注3)

注釈:
1) ヤフーの智慧ノートに要約が載っており、それを観たのが武田氏コメントを見つけたきっかけである。(http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n270426)
2) https://www.youtube.com/watch?v=6MFRYEJ4q90; 
3) 科学界は、失敗や間違いはあるかもしれないが、データ捏造の可能性は全く前提にない。武田氏は、あの論文がNature誌から削除されても、他のところで、人の組織からスタップ細胞作成に成功したのなら、小保方氏もノーベル賞だと言っておられる。これは科学界の上記性格から考えて、その通りかもしれない。彼女の味方なら、「失敗はあったかもしれないが、捏造などあり得ない。論文撤回は強制されたから同意したのである。」という態度を貫く様に、助言すべきだろう。

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