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2014年5月1日木曜日

TPPなどでの食料安全保障=自民党議員達の票田保障

 TPPやFTA交渉などで、日本側の譲れない線として何時も残るのが、農産品の関税である。今回の豚肉などの関税は少ない方で、交渉のテーブルに載らない、米の関税は700%以上だそうである。また、コンニャクの場合はその倍以上と言うから呆れる。日米安全保障条約という紙切れ一枚に、国家の安全保障を任せてきた自民党議員たちが、安全保障という言葉を「食の」という形容詞付きでも使う資格があると思っているのは、そして、そのいい加減な論理を有権者が許して来たのは不思議というしかない。もし、農業を食料確保の問題として考えるのなら、農地法などを改正し、大規模化や株式会社化を進めて、生産性を上げることが第一になされるべきことである筈(注1)。
 農業などの集約化がなされれば、食料価格は低下し、戸別保証金も小額になる、更に、特別職の農業委員に支払う給与も要らなくなる。これらは、全国民の可処分所得を増加させ、日本国の労働人口の実質増加につながる。それは、それ以外の産業の国際競争力を増すことにつながり、実質的に食の安全保障確保につながるのである。また、不必要な移民受け入れをしなくてすむ。(注2)
 ところで、食料安全保障であるが、上記の農業の生産性を上げることが大切であるが、それと同様に大切なのは外交である。その理由は、日本の農地により生産される食料で生きて行けるのは、せいぜい6000万人位であるからである。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」にあるように、パンや肉などの輸入品か輸入飼料で生産するものに頼らなければ、一日5合(約700g)の米と他に少量の副食が必要なのである。それが、江戸時代までの日本の人口(注3)を決定してきたのである。つまり、1億2000万人の人口を抱える日本国に、貿易と国際的に強い工業以外に、食糧安全保障は実現出来ないことを知るべきである。その観点からすれば、自民党政府のこれまでの農家保護の政策は、票田確保政策以外には見えないのである。

注釈:
1) 土地の移転を市町村の農業委員会の許可性にして、それに違反したら、3年以下の懲役か300万円以下の罰金に処せられる。その農業委員会においては、10アール以上耕作している成人が選挙権及び披選挙権を持つそうである。
2) フランスなどでは移民として受け入れた外国人のテロなどの犯罪に苦しんでいる。文化や宗教のことなる国民が同居する困難を十分知った上で、移民は受け入れるべきである。日本にそのような知識も覚悟も現状では無いと思う。明治の後期に、日本では十分な食料を生産出来ないので、ブラジルなどに多量の移民を送り込んだことを忘れてはならない。
3) ウィキペディアによると江戸時代の人口は3000万人程度(明治3年で3300万人程度)であったという。

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