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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

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2015年6月7日日曜日

時事放談(6/7)感想

今回のゲストは二階氏とカーチス氏であった。議論の中でもっとも重要だったのは、二階氏が率いた3000人訪中団と新安保体制の話であった。訪中団は民間交流であり、それは政治背景を作る上で大切であるが、私の目には昔の朝貢使節のように見えた。

習近平主席も大使節団を前にご機嫌なのは当然だろう。カーチス氏は、“中国も日米の間に楔などいれることは出来ないと、安倍総理の訪米などで気が付いただろう。また、日本からの最近の投資減少が中国経済に響いており、少し反省しているのだろう”と指摘した。

新安保法制に関する国会での議論であるが、先ず、自民側参考人が集団的自衛権行使を違憲だと発言したことで、自民党の人選の拙さが指摘された。これは、全く呆れてものが言えない位である。議論する場が、政権非難する場となっては、どうしようもない。議論は、賛成派と反対派がするものである(注1)。

カーチス氏による、”安倍総理と中谷防衛大臣の米国での発言と日本での発言が全くことなる”という指摘は重要である。つまり、“両首脳が米国で話をしたのは、米国が日本を守ると同時に日本側も米国を守るという相互防衛関係を築くという内容だったが、日本での話には後半部分が無く、片務的なものの様に国民に誤解を与えるものである”。

二枚舌は論理で説得する自信の無い人が使う常套手段である。国家の首脳がそのようでは、高い国際的信用を築くことは不可能である。私は、”集団的自衛権行使”は、相互義務関係を示しており当然日本側も米国を守るという意味であるが、それを口に出せないほど両首脳は説得力に自信が無いのだろう。

日本の置かれた国際的環境が大きく速く変化しているいま、戦後70年間放置され老朽化した憲法や防衛関連法を前にして、ステップbyステップでその変化に追随する実力が、現在の政治家にはないのである(注2)。

中国が南シナ海で岩礁のような島を埋め立てて空港を作り、そこを軍事基地化している。中国の軍事費の増加や海軍力の増強は、単に中国の防衛のためとは思えないレベルである。そして、中国の経済力は何れ世界のトップに立ち、AIIBが大きくなって、元を世界の決済通貨に育て上げることをたくらんでいるのだろう。そして、FRBの変わりを中国の中央銀行が将来果たすかもしれない(注3)。

世界の枠組みが大きく変化していることを説明しなければ、新安保法制の話など判らない。日本での新安保体制の国会議論は極めてプアである。国家国民の将来などより、自衛隊員の安全が大事だと言う野党(注4)を相手にして右往左往している。カーチス氏が言うまでもなく、“国家国民の安全保障制度が変わり、自衛隊員の危険性が増す可能性があっても、それは国家国民の防衛の為である”からだと正面から言い切ることが出来ないのだ。

注釈:
1)従来の自民党の有識者会議などでは、与党案に賛成する者ばかり集めていたが、それも同様に非難されるべきである。
2)優秀な人材をことごとく排斥してきたのは米国である。(孫崎氏の著書を参照)
3)21世紀の中華構想だろう。鼠族から宮殿を住まいにする人たちが共存する国、異なる宗教を持つウイグルや内モンゴル、出世は一族を豊かにするためと蓄財に励む幹部達、それらの巨大な矛盾を抱えた国を崩壊から守るのは中華思想ではないだろうか。
4)野党系図のもとにあるのは、コミンテルンの指示で動いていたと言われる勝間田清一氏の日本社会党である。反日なのは当然である。

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