2017年3月31日金曜日

ニーチェ著「アンチクリスト」の現代語訳(“キリスト教”は邪教です)の感想

1)ニーチェのアンチクリストの現代語訳を読んだ。キリスト教には乏しい知識しかないが、この本の批判に反対方向からキリスト教を眺めたような印象を持った。その批判のエッセンスは、「キリスト教は、全ての人は平等であると言う誤りを大多数を占める下層民に吹き込んだのだが、その個が平等な仮想社会は自然な人間社会を破壊するものである」ということだと思う。以下著者の考えとして私が理解したことを書く。

キリスト教をつくり布教した中心人物が、パウロである。イエスはユダヤ人の行なっていた儀式、律法の適用、お祈りなどが意味のないものであると考え、現実にとるべき行動として、“悪人に手向かうな、敵を愛し迫害する者のために祈れ、地上に富を蓄えるな”などと教えた。その生活スタイルを理解できなかった弟子たちが、十字架上で殺されたイエスについて、奇跡を起こす人や救世主であるとの話をつくり、俗受けする宗教を創りあげた。彼らが用いた、神による天地や人間の創造、あの世、復活、霊魂の不死、最後の審判などの話は全て捏造である。彼ら僧侶たちはそれらの嘘を武器に支配者となった。

パウロは、「神は世の中の弱い者を、世の中の愚かな者を、軽く見られている者を、お選びになる」と言った。キリスト教が弱者や貧者の味方をする宗教であり、それは人間の世界を暗く、貧しく、弱くした。そして、豊かに暮らし、美を賛美し、快活に自分の優れた能力を謳歌する人間、つまり強い人間を悪人(つみびと)として否定する。この人間社会の大多数を占める下層人に、上層に位置する人間の否定を教えたのである。

本来の宗教とその法典は、民族の生きる知恵の集積を、神の啓示や長い伝統として引きつぐ方法であるべきだ。キリスト教は、民族の色を持たずそれらを否定する。

2)健全な社会では、人間は自然と三つの異なるタイプに分かれる。精神が優れた人、筋肉や気性が強い人、それ以外の凡人である。凡人が大多数だが、選ばれたエリートはごく少数であり、彼らには「幸福」、「美」、「善意」などを地上に実現させたり味わったりする義務と特権がある。一方下層民には、物事を醜く捉える眼、物事の全体像に不満をいう“特権”がある。

不完全なものやレベルの低いものも世の中にはたくさんあるが、そういうものを含めて、世界の完全性は成り立つ。もっとも精神的な人間は、強者の自覚を持っている。彼らは、担う重い課題を、自分たちの特権と見なす。精神的に優れた人間は敬われるべきであるが、同時に彼らは快活で愛すべき人間である。彼らは人々(社会)を支配するが、彼らがそうしたいからではなく、彼らの存在がそもそもそういうものなのである。その下に、最も精神的な人の隣にいて、支配を行う時のゴタゴタした問題を引き受ける人が存在する。

このように人間が区別されるのは当然のことである。何故なら、高度な社会はピラミッドのようなもので、そして、広い地盤の上に築くことになるので、精神的に優れた少数の人とともに大勢の平凡な人間が必要となるからである。商業、農業、学問、芸術といった仕事は程々の能力と程々の欲望によって成り立っている。人が社会の歯車になって働くのは自然であり、何かをする能力があると感じる幸福感がそれを支えている。(労働は罰と考えるのは間違い。)

キリスト教は、悪しき平等の原理を多数の下層の人間に教え込み、この自然な社会を破壊する。ローマ帝国もキリスト教により破壊された。ルネサンスは、キリスト教の価値を退け、人間の自然な価値を取り戻す運動だったが、それを台無しにしたのがルターの宗教改革だった。カント等の哲学もキリスト教の悪しき影響の下の哲学である。

3)感想:
あの世の身分を操る権限を僧侶に持たせることは、現世に悪い影響を与えるのは当たり前である。日本の多くの人は神道の信者である。神道では神の意志を人は知り得ないので、神はただ祈るだけの対象であり、不幸に遭遇すれば諦めるしかない。また、大多数の日本人の感覚では、現世の行いの責任は現世において取るのみであり、死後の世界は現世に干渉しない。従って、日本人は本来現実的対応が取りやすい民族だと思う。

それでも、現在社会の多くの制度に、キリスト教の考え方が取り入れられている。その中で最も重要なのは、民主主義だろう。大多数の凡人が最高の決定権を持つという民主主義は、西欧諸国(キリスト教圏)において、欺瞞的な政治制度として定着している。つまり、実権をもつ一部の支配層の隠れ蓑になっている。それらの国では、民主政治にその伝統があるが、日本など欧米以外の国にはその“欺瞞”が定着していないので、政治的に成熟した国家になりえていないと思う。もしキリスト教がなかったのなら、主権者と現実の権力の乖離がこれほど大きくなかったのだろうかと考える。

ある大国が国際政治で用いる民主主義は、イエズス会の用いたキリスト教に対応するのだろう。

ニーチェがキリスト教(旧約聖書を含む)を嫌うのは、あまりにも巧妙にキリスト教の言葉ができているからだろう。創世記の記述は現代物理の考えによく似ているし、山上の垂訓の言葉は恐ろしいし美しい。創世記の天地創造の記述と現代物理のビッグバン仮説の違いは、専門家しか説明できないだろうし、山上の垂訓の言葉が“造花の美”であるとわかる知性は一般下層人にはないだろう。

この本の、「不完全なものやレベルの低いものも世の中にはたくさんあるが、そういうものを含めて、世界の完全性は成り立つ」と言う言葉は、一人の人間全体についても言えるのではないだろうか。もし、切り花の美だけを要求するような教えなら、それは本来の教え(宗教、たかい教え)ではないと思う。

<キリスト教の素養がないので、的外れかもしれませんので、批判よろしくお願いします。語句の編集あり(翌日朝)>

2017年3月26日日曜日

安倍総理を強引に弁護する自民党議員に恐怖を感じる

1)大阪府松井知事が、自分だけが悪者になるのが嫌で、安倍総理は全てを明確にすべきだ言った。政治は忖度することなのだという理屈はめちゃくちゃであることは、自分でも分かっているはず。(前回の記事)西田昌司議員や下村元文部科学大臣を始め、自民党議員は全て事実を知りながら、安倍総理とは無関係だと言い張って、大阪府に責任を押し付けているのだと思う。

西田議員の屁理屈にはうんざりする。大阪府私学審議会が、財務が極めて脆弱な森友学園の小学校開校を認可相当としたと攻めるが、それは片手落ちである。何故なら、財務局が土地を森友学園に売却するためには、大阪府の認可が必要だと大阪府に係官が出向いて圧力をかけたからである。(前々回の記事)全て首相の意向を”忖度”して、松井知事や近畿財務局などが行ったことだろう。今からでも、松井知事の反論をまともに受けて、8億円の値引きの問題を含めて全容を調査解明し、真実を国民に向けて発表すべきだ。

安倍総理が辞めれば、その麻生氏が首相になる公算が高いという。そもそも、あの件、麻生氏に近い財務省が経産省と仲の良い安倍総理を落とすために仕組んだという意見さえある。辛坊治郎氏の以下の動画の30分くらいのところを聞いてもらいたい。https://www.youtube.com/watch?v=iBIKe76R-h4 それが本当でなくとも、その様な説が相応しい世界なのだろう。人間の醜悪な面を見せられた感じである。

後に控えている人を考えれば、なんとか森友問題は収束させ、安倍総理に継続して政権を担ってもらった方が国民にとって得であると思う。(補足1)西田議員、下村元文科相、菅官房長官らをはじめ自民党幹部らは、安倍総理を助けるとしたら、事が起こる前なら遥かに簡単だった事を知るべきである。

2)自民党議員らは、不都合な真実は決して国民に明らかにしない人種である。自民党という組織はYKZAUAと同じで、皆親分が右といえば右、左といえば左を向く連中が構成員らしい。西田議員が森友問題を、大阪府の問題として地方に閉じ込めようと企む行為などは、その典型である。

つまり、日本の政治家は都合が悪くなれば嘘で塗り固めて、隠し誤魔化すのである。その背景には、彼らが世襲の政治貴族であり、一般国民とは違うのだという意識が根底にある。つまり、一般国民と共に政治を行うのだという考えが皆無である。

予算委員会で麻生氏の答弁の様子を見たが、YKZのような態度と口の聞き方である。山本一太委員長に注意されたあの態度と言動、あれが自民党政治貴族の本質なのだ。論理や真実よりも、親分を庇い盛り立てることが、彼らの至上命題なのだ。(補足2)

YKZ的組織の弱点は、親分の間違いを自分の方から指摘する人間が内部にいないことである。内閣官房の人たちや、西田議員や下村議員のように安倍総理に近い人たちは、恐らく明らかになる前にこの件が危ないと気づいた人が多かっただろうと想像する。しかし、この世界では、それが当たり前のことか、当たり前でなければ親分に対して誠意ある指摘(という憎まれ役)ができないのだ。

政治の世界は有権者の審判を受けるので、その様な組織が担当しておれば、次々に有能な人が表舞台から消えざるを得ない。それが日本において、何時までたっても政治家の質が向上しない原因だと思う。

そのように自民党議員を再評価すると、現在重要問題となっているテロ等準備罪も、戦前の治安維持法と並べて警戒されるのは当然だと思う。だいたい、東アジア全体はまともな法治国家ではない(補足3)ので、治安維持法の時と同様に自分たちの政権が危うくなれば、北朝鮮のように邪魔者は消すための武器に変化するだろう。

テロ等準備罪は米国の子分である日本政府が、米国の嫌うイスラムとの対決の前線に出る可能性を念頭に提出するのだろう。政情不安になれば、気に食わない報道関係者も捕まえるだろう。なにせ、あれほど明確な森友学園との癒着さえ、嘘で塗り固めようとするのだから。日本を彼ら政治貴族が牛耳る限り、専制主義的国家になる危険性を持っていると思う。

補足:
1)「森友学園の教育が好ましく映った時期があり、支援もした。しかし、それは誤りだった」と謝罪したのち、事の収拾をしてほしいものである。”過ちを改むるに憚ること勿れ”を政治にも持ち込まないと、全ての人材を失った後、衆愚政治で国を潰すことになるかもしれない。
2)人間の関係よりも、事実と論理(神の領域)を重視するのはキリスト教世界の特徴である。民主主義はそのような人たちの制度であるので、それを採用する以上、その文化に学ばなければならない。
3)日本では憲法9条の(馬鹿げた)条文の解釈を極限までごまかして、自衛隊という軍隊を持っている。中国には国際法という考えがなく、チンギスハーンが一時支配した土地も全て領有権があると考えているらしい。韓国は法律ではなく、2000年の恨みが政治を支配している。

2017年3月25日土曜日

森友学園問題:松井知事が爆弾発言

松井大阪府知事は、安倍総理が森友学園の問題を長引かせていると、以下のように言っている。「この問題の本質をきちっと説明できなく、わからなくしているのは、僕は皮肉にも安倍総理だと思う。忖度(そんたく)はないと強弁しすぎているんです。なぜ籠池さんが”神風が吹いてきた”と言う様に、スムーズに手続きが進んだのかという部分。これはまさに忖度だったというのを認めるのが一番だと思います」 https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170325-00000028-nnn-pol

つまり、以下の動画でも言っているように、「忖度にも良い忖度と悪い忖度がある。国民がそのような教育を望んでいるから、あれは良い忖度だったのだ」という趣旨の主張である。誰の意向を忖度したのか今ひとつ明確でない発言だが、この場合は安倍総理の意向を忖度したのだろう。そして、安倍総理の意向が、国民の意向に沿ったものだから、大阪府や財務局などの忖度は良い忖度であり、スムーズに事を済ませたと言うのだろう。https://www.youtube.com/watch?v=MleDbmHKmyc

忖度とは人の意向を汲むことだが、政治家が国民の意向を汲む段階は、選挙の前である。それも政治の方向や具体的な課題に関して、マニフェストなどを作成する際に行うのであり、決して個々の法人や個人を優遇したり冷遇したりすることではない。当選した事で、そのマニフェストが選挙民の意向を反映した事の証明になっているのである。安倍総理も松井知事も、選挙前に幼稚園児に教育勅語を暗唱させたりする教育改革を、選挙公約にあげていなかった筈だ。ましてや、官僚にあの様な忖度する機能(能力、職能)などない。松井知事の発言は”むちゃくちゃ”である。

松井知事は、そんなこと位わかっていると思う。ただ、「安倍総理の意向を汲んで動いたのは、自分だけではなく、近畿財務局も航空局も動いたのに、なぜ自分だけがハシゴを掛けたり外したりしたと、批難されなければならないのだ」という不満のやり場がないのだろう。自分だけが悪者ではない、ハシゴの忖度を我々に期待する様に仕向けたのは安倍総理ではないか?そう言いたいのだと思う。

これは爆弾発言である。

2017年3月24日金曜日

森友学園籠池氏証人喚問:証人喚問すべきは、最近まで籠池氏の代理人だった弁護士、財務省国有財産審理官、昭恵夫人付きの官僚、大阪府知事などである

1)100万円の寄付金:
証言の信憑性をチェックする為に、昭恵夫人が講演した次週の月曜日に、籠池氏の証言にあった郵便局に100万円の入金があったかどうかを郵便局側から確認すべきだと思う。何故、その確認をしないのか不思議だ。それ以外の方法では、この発言の信憑性をチェックするのは困難である。しかしこの件、昭恵夫人と籠池氏の発言の食い違いに最終決着をつけるのは困難であり、これ以上議論するのは無駄だとおもう。

2)籠池氏が、建設用地に関する定期借地権契約期間の5倍延長(買い上げまでの期間の5倍延長)か買い取り価格を半減させる交渉を、明恵夫人(当時名誉校長)に依頼した件は重大である。財務省の国有財産審理室長よりそれらは困難であるという返答をもらい、総理大臣付き職員かFAXでその結果を籠池氏に送った(2015/10)。籠池氏の証言では、この件最初明恵夫人の携帯に電話して依頼したが、夫人は海外におられたので、総理大臣付き官僚の谷氏に連絡をとり、谷氏あてに封書で依頼した。

この件、明恵夫人は直接関わっていないとFACE BOOKか何かに書き込まれたようであるが、明恵夫人つきの官僚が財務省と交渉を行ったのは事実なので、昭恵夫人と籠池氏の関係が今日の証言にあったような関係であることは疑いない。今夜のBSフジのプライムニュースで解説者の田崎氏が「一般人による陳情であり、この件は違法でもなんでもない」と話していたが、それは違う。一般人では、この種の陳情はあり得ない。これは陳情というより交渉である。

格安の売買契約はこの交渉の結果と見るのがわかりやすい。兎に角、定期借地権設定、その賃貸料の計算、その後のゴミ処理料金8億円の計算などの根拠を、関係者を証言台に立たせて検討すべきであると思う。

3)今回の証人喚問で非常に印象的だったが、プライムニュースでだれも言及しなかったことがある。それは、中道組という建設会社の推薦で籠池氏の代理人となった弁護士が、この売買契約、ゴミ処理の契約、学校認可などに深く関わっていることである。籠池氏の証言から考えれば、買取価格の設定についての詳細は、この弁護士の方がよく知っているように思える。

証言を聞いていて、私はこの建設会社とこの弁護士が籠池氏の意向を受け、自分たちの利益も考えて脚本を書き、それに従って籠池氏や昭恵夫人が動いていたようにも見えた。なお、中道組は最初に小学校敷地のゴミ処理を請け負った建設会社であり、その後の小学校建設にも関わった。

4)この昭恵夫人が格安国有地売却問題に深く関わった件で、安倍総理が辞任すべきか? 
この問題については、プライムニュースに参加した民進党の方の意見が妥当だと思う。この件が国会で取り上げられた直後、安倍総理が国会で自身か夫人が少しでも関与していたのなら、辞任すると明言された。

あたかも国会での議論を封じるかのような態度であったので、その行為に対する真摯な謝罪をすべきだと思う。辞めるかどうかは、現在の国際情勢を考え、プロの政治家らしく国の利益を第一に考えて結論を安倍総理自身が出して欲しい。

ただ、この最初の強い封殺の姿勢は、首相自身によるこの件に関するもっと直接的な関与があったからかもしれない。それが明らかになれば、辞任も仕方ないだろうと思う。私が最初にブログに書いた時の直感はまさに、この最後の形のプロセスである。籠池氏の素性にただならぬものを感じたのである。(3/23/22:00; 3/24/6:00編集)

2017年3月23日木曜日

藤井内閣参与の農家保護の論理はおかしい

米国の次期通商代表のライトハイザー氏が「米国産農産物の市場拡大の方向として日本が第一のターゲットだ」と発言したことに関して、内閣参与の藤井聡という人が自分のフエイスブックにおいて、其のことばに反応しない日本に対して国家の体をなしていないと書いたと昨日朝のラジオ番組で言っていた。

その根拠として藤井氏は以下のように言っている:「保護貿易と自由貿易の適切なバランスが大事であり、現在の日本の貿易は過剰に自由貿易的である。何故なら日本は現在デフレだからである。更に、食の安全保証の意味からも貿易障壁を設けることで日本の農業を保護することに何の躊躇もいらない。」 https://www.youtube.com/watch?v=FVQXHqBxQDA

藤井聡という人は、政治経済のことなど何も解っていないと思う。こんなレベルの人を参与にする内閣は日本位だろう。日本がデフレなのは、国民が将来に不安をもち、預金志向が強くなり需要が縮小しているからである。自然な感覚に戻れば、需要が回復する筈である。つまり、政治の責任である。食の安全保障というが、日本の農業で生きられるのは5000万人くらい(食料の自給率から)であり、食の安全保障は旧態依然たる農家の保護ではなく、健全な貿易関係を国際社会の中で築くことである。

そのためには、日本の農業の生産性を上げて、欧米の農産物への輸入障壁を下げても、競争力を維持できるようにするのことが大切である。つまり、農業の大規模化や法人化を邪魔する障壁を無くする努力をすべきなのだ。農家の保護ではなく、農業の保護育成が大事である。何故、そのように政府は動かないか? それは、与党が民主主義を標榜しながら考えられないレベルの一票の格差を作り、農村部の票をたよりにしているからだ。

ところで安倍総理大臣は、ベルギーにおいてEUのトゥスク大統領らとの会談を前にそろって共同記者発表に臨んだ。その場で、保護主義の台頭を念頭におき、国際的な責任を共有するEUやアメリカと連携し、自由で開かれた国際秩序の維持に取り組む考えを強調した。

EUのトゥスク大統領も、安倍総理大臣との会談を前に共同記者発表に臨み、「経済力のある日本とEUがこれからも公平な世界貿易に関与していくことは非常に重要だ。EUとしては自由貿易協定の締結に向けて努力しており、近く締結されると信じている」と述べ、日本とのEPA=経済連携協定交渉の早期妥結に強い期待を示した。

つまり、この藤井という人の親分は、世界で強まりつつある保護貿易の傾向を、元の自由貿易の方向に戻そうと努力している。親分と反対のことを持論とするのなら、内閣参与なんか辞めたらどうか?

2017年3月22日水曜日

青山繁晴氏の国会質問は無視すべき:米国が北朝鮮に軍事介入しても、日本は拉致被害者救出を口実に自衛隊を派遣すべきでない

1)この3月17日に公開された動画で、安倍総理の勧めで参議院議員になった青山繁晴氏が国会質問に立った(参議院予算委員会)。そこで、米国が北朝鮮に軍事介入するとき、日本は拉致被害者の救出のために自衛隊を派遣すべきであると言っている。

青山氏は北朝鮮問題が分かっているとは思えない。金正恩がミサイルを開発して自分の国を窮地に追い込んでいるという発言も、米国の受け売りのようであり、根拠は明確ではない。この男は何者なのか。米国に知人が多いようだが、そこからの情報に踊らされているのかと思う。 https://www.youtube.com/watch?v=SdfA5ja0QRI

軍事作戦が実行された場合に備えて、拉致被害者を救うという名目で、再開された朝鮮戦争に自衛隊を参戦させようという米国の魂胆を代弁しているのだろう。日本国民に向かって米国の要請とは言いにくいが、拉致被害者の救出なら言い訳となり得る。しかし、参戦すれば日本内の米軍基地に核ミサイルが飛んでくるだろう。日本国内での一般市民の死者数は数万人規模だろうから、拉致被害者の数よりもはるかに多い。

また、国民が拉致されたことを北朝鮮のみの犯罪のように言うが、北朝鮮と国交がないので、責任の半分は国民を守れなかった日本政府にある。拉致被害者を取り返すのなら、日本から北朝鮮に宣戦布告するか講和しかない。後者をこころみて米国に潰されたのが、小泉内閣のときの日朝共同宣言とその後の国交回復の計画ではなかったのか? (補足1)

朝鮮戦争の終結は米国、北朝鮮、それに中国の問題であり、日本の問題ではない。6カ国協議は、米国の一部が朝鮮戦争を終結したくないので、棚上げにする口実だと思う。ティラーソン国務長官は、この20年間の対北朝鮮政策は間違いだったと正直に白状したのだから、今回は米国が中心になって独自に解決すべきである。(補足2)

2)米国の要請があっても、朝鮮戦争への参戦は馬鹿げている。ソールは火の海になり、日本も何万人という死者がでるだろう。日本は朝鮮戦争の再開ではなく、米国を和平へ導くべきである。核兵器の完全廃棄の要求は今や出来ないかもしれない。しかし、北朝鮮の安定を米国が保証すれば、一旦は静かになるだろう。

朝鮮半島を現状のまま安定化させるのは、日本の国益に叶う。中国も米韓同盟の勢力が国境まで近づくことを望まないし、日本にとっても中国支配下の朝鮮が釜山の先まで来ることは望ましくない。日本は独自防衛をシビリアンコントロール下で持てばよい。そのためには、天皇を国家元首とする自民党の草案を叩きだいにせず、9条第二項だけを改定する方向で出来るだけ早期に憲法改正すべきである。

米国には、北朝鮮を核保有する軍事大国に育てた責任をとってもらうべきである。その第一段階は、朝鮮戦争の終結と北朝鮮の承認であり、第二段階は在日米軍による核兵器の日本国内持ち込みを発表し、北朝鮮(本音は対中国)へのメッセージとすることである。(補足3)

補足:
1)小泉政権の時に、日朝両国は国交回復を目指した。しかし、拉致被害者の一部が一時帰国した直後、全ての話がこじれた。もし、この数名を約束を破って返さなかったのが破談の原因なら、責任は日本にある。何故なら、国交回復は信頼関係を構築するということであるから、一時帰国した人たちを北朝鮮に返さないのは、日本が相手国を信頼しないことを改めて表明したことになるからである。一部の帰国者を一旦北朝鮮に返さないことは、残りの大勢の拉致被害者を見棄てることになる。そんなことが考えられるだろうか?一時帰国者数名を返さなかったのは、何らかの原因で日朝国交回復が破談になったからだと考えられる。その原因として、米国の干渉以外になにがあるだろうか?中国の干渉なら、国民に説明がなされていると思う。なお、北朝鮮を承認していない主な国は、米国、日本、韓国である。
2)北朝鮮の軟着陸を一貫して主張してきた。その中の一つ、潘基文氏が必死になれば行えたという趣旨の投稿をしたことがある。
http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42389602.html
3)非核三原則という自分の手足を縛るような発言をし、それを自民党の党是とした佐藤栄作の行為は批判されるべきである。国家の代表的地位にある者やあった者が、ノーベル財団という一私的財団から、その在任中の政策と関連して賞を貰うということは、どこかの元大統領同様非常に愚かなことである。ノーベル財団が世界に平和をプレゼントする能力を持つのなら、話は別だが。
(11:10編集)

2017年3月21日火曜日

日本が東海の孤児とならないためにはどうすべきだろうか?

1)ティラーソン米国国務長官が中国国家主席の習近平と会談した。NHKテレビで放送されたところでは、トランプ大統領と違って紳士的であり、中国も評価&期待しているとのことだった。いつものことだが、NHKニュースは何の情報も含まない。NHKは、ティラーソン国務長官の習近平主席との話し合いで、北朝鮮問題解決について何も達成できなかったということがニュースになるとは思っていないのか、言いたくないのだろう。NHKは日本国民のための放送局なのかどうか、私にはわからない。

3月3日のブログ「北朝鮮の体制転覆は暫くないだろう」で、以下のように書いた。

これまで通り、最終的には爆発する風船を金正恩は更に大きく膨らませるだけであると思う。その風船を割るのは、おそらく中国だろう。米国はずっと前に朝鮮戦争の終結をすべきだった。東アジアに混乱の種を残すという、悪の報いは本来米国が受けるべきであるが、北朝鮮が統一朝鮮になる時、東に逃げるだけだろう。

その際に、第三次大戦にはならないと思う。米国も核戦争は望まないからである。その朝鮮有事の後、朝鮮半島は統一され中華秩序の中に入るだろう。そして、米国は東アジアに残留する力も理由もなくなり、日本は西太平洋の孤児となるだろう。中国と朝鮮にこれまで以上にいじめられ、領土と富を失うようになると思う。出来るだけ早く、日本独自の防衛政策を考えるべきであるし、そのために、国民に広く現在の脅威を、国際政治の真実を知らせるべきだと思う。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43190407.html

ここで、中国と統一朝鮮にいじめられる日本の姿は、韓国のパククネのこれまでとこれからの姿と相似であると思う。彼らには、論理も法による支配もよそ事である。

2)評論家の北野幸伯氏は、メイル記事でティラーソンの中国訪問で北朝鮮問題に進展はなかったと書いている。米国は北朝鮮のICBM関連技術の完成前に、核開発を止めたいのだが、その方法として中国の不介入の確約を得た上で、軍事介入して金正恩体制を崩すことを考えている。その上で、米国を中心とする米中露の信託統治にしたいのだろう。単に金正恩を倒すだけでは、何の解決にもならないからである。 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170227-00051039-gendaibiz-bus_all&p=1

そのプランが不可能だと判ったとき、トランプ大統領はどのような手を考えるだろうか? その答えは一つしかない。北朝鮮の承認と経済援助と引き換えにICBMの開発をしないと約束させることである。そして、経済援助は日本に丸投げすることになり、日朝関係の改善は小泉政権時代の段階に戻ることになる。

あの時なら、日本を核ミサイルで攻撃する能力を持たない北朝鮮が実現したかもしれないが、今は違う。日本が北朝鮮へ経済援助をする理由はない。経済協力するのなら、米国による小型核技術の完全供与を条件とすべきである。しかし、安倍政権やその他の政権では、そんなことはできそうにない。

北朝鮮はその米国の現実的な取引には乗るだろう。米国が北朝鮮を国家として承認すれば、ICBMなんか重荷になるだけで不要である。米国のトランプ大統領は元々孤立主義的であるから、ホワイトハウス自体には大きな抵抗はないだろう。小型化した核兵器は対日本や対中国の戦略として残り、北朝鮮にとって残る課題は、経済復興と合併という形での韓国併合だけである。

ティラーソンはその案を習近平には示さなかっただろう。それを示せば、習近平は悩むかもしれない。何故なら、北朝鮮との関係は江沢民派が強い北部戦区が握っており、習近平は元々この問題には弱いからである。(補足1)

3)そのような米朝講和の方向に決まった場合、日本は米国の命令で日朝講和(日朝基本条約と一兆円規模の経済協力)の話し合いを同時進行的にするだろう。その後、経済発展した北朝鮮は左傾化した韓国と統一することになると思う。

そして、米国は防衛ラインを第二列島線まで下げて、太平洋は孤児となった日本を残して、凪の時代に入るだろう。

ここまでの話に変化が生じるとしたら、日露関係しかないように思われる。昨年の11月に、進まない日露関係に苛立ち、日露関係よりも日中関係を重視すべきという記事を書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43075463.html その後、その稚拙な考えに気づいて、その記事を私の意見としては削除した(記事そのものは残した)。

朝鮮半島が中華圏の中に入り、米国が第二列島線に遠ざかれば、中国の国内政治が利用するのは反日感情である。その中毒から抜け出ることは、第三次世界大戦がない限り永久にないだろう。

もし、ロシアに民族的な反日感情がないとすれば、日露関係が唯一、日本が東海の孤児とならない鍵となる。ロシアはシベリアでの中国との長い国境を維持するためには相当の努力を要するが、それにはシベリア東部での経済開発が必須だろう。地政学的に中露関係が相互に牽制しあう関係なら、日本がその関係を安定的に保存するため協力するのは、悪い話ではないだろう。

日本は以上のような長期戦略として考える以上、国後と択捉の返還は諦めることになる。そのためには、日本政府はサンフランシスコ講和条約の内容を正しく国民に理解させる努力をする必要がある。吉田茂が国会答弁で、放棄した千島に南千島も含まれると明言していることを、国民に周知すべきである。もちろん、ロシアが今後の日露関係を考えて、国後を返還するということになれば、日露経済協力は急速に規模を大きくして進むだろう。

補足:
1)中国はこれまでの7つの戦区から5つの戦区に分けるように変更したという。(川添さんの動画参照)

2017年3月20日月曜日

政争の具にされた豊洲地下水の汚染問題

1)豊洲移転問題は、元々二つ存在した。一つは敷地の購入や建設に関係した不正があったかどうかであり、もう一つは築地から豊洲に移転すべきかどうかである。前半の問題について、不正がありそうだと小池東京都知事が考えて、それを明らかにしようとする当初の努力は評価できるだろう。(補足1)しかし、後者、つまり食の安全から考えて直ちに移転すべきではないと判断したことは間違っていた。食の安全が脅かされるという根拠は何もないからである。

都知事は、両者の区別を明確にし、最初から計画通り豊洲に移転すべきだったのだ。問題を大きくして、敷地購入や建物の建設に絡んで不正を働いたものたちを追い詰めようと考えた、政治的策略がおろかだったのだ。この問題の議論か口論かわからない騒ぎを見ていると、現在の政治の特徴が見える。つまり政治の舞台には科学も論理もない。それは有権者一般に、科学に対する知識も畏敬の念もないからである。

「豊洲から採取した水から環境基準の100 倍のベンゼンが検出された」という事実は正しいだろう。しかし、その結果から何が言えるのか。そもそも検査した水は、法に水質基準が定められた地下水なのか?そして、その検査は何の為に行ったのか(行うのか)?それらさえ明確にせずに議論(口論)し、報道機関はそれらをそのまま報道している。

繰り返しになるが、この豊洲に移転するかしないかという問題との関係で、この水質検査の結果を正しく理解する原点は、先ず何を目的に地下から水を採取し、検査しているのかを明らかにすることである。目的が定まらなければ、水の採取方法も決まらないし、その結果の評価もできない。

つまり、市場が豊洲に移転した場合、一連の検査結果から考えてどのような不都合を生じるのか、都知事は根拠を明らかにすべきである。「不安を抱く都民の気分の問題だ」というのは、あまりにも非論理的非科学的な台詞だ。また、東京都の関係者は、何故検査に供する水の採取方法を替えたのか、その根拠を論理的に説明すべきである。「もうそろそろ豊洲移転を決定したい都知事を困らせるためだ」とは言えないだろう。

2)地下水とは広義には地下に存在する水のことだが、公の場で科学的に議論する場合は帯水層よりも下部に存在し重力によって流れる水である。(補足2)単に土壌に存在する土壌水や、廃棄物処理場の土壌に含まれる保有水は、地下水とは呼ばない。環境基本法やそれに付随した文書にある水質基準は、自然環境中を循環する帯水層以下の地層中を移動する水、地下水、を対象にし、その目的は飲用に供した場合に健康を害しないことである。(補足3)

東京都が行っている豊洲土壌から採取した水の検査は、科学的には地下水と言えない土壌の保有水を対象に、検査の目的もあいまいなままに行っている可能性が高い。何故なら、地下に作った採取用の溜に流れ込んでくる水ではなく、其処に長期間滞在した水を採取し測定に供しているからである。帯水層より上の残存した廃棄物を含んだ土壌から流れ込んだ水を対象に、有害物質濃度を測定している可能性が高い。そして、その数値の意味もわからないままに騒ぎを煽っている?可能性がある。

環境基本法に付随した文書の付表に(補足3)、ベンゼンに関する基準として0.01mg/Lという数値が書かれている。その100倍とは、1mg/Lである。つまり、最近豊洲地下の埋立地から採取された保有水は、1.0ppmの濃度でベンゼンを含んでいたことになる。しかし、ベンゼンの水への溶解度は1.8g/L(15度C)であるから、その水からはベンゼンは空気中に漏れ出ることはほとんどない。従って、豊洲市場で通常の業務を行う上で何の障害にもならないだろう。

しかし、一旦築地からの移転をストップした知事は、検査の数値が大きくなる情況では、引っ越しを出来ないだろう。また、移転をストップしたのは間違いだったと謝るほどの勇気はないだろう。この問題を政争の具にした都知事の責任は大きい。

補足:

1)東京都が、豊洲の土地を瑕疵担保なして買い付けたのは、おそらく安く入手するためだろう。厳しい基準や法令を作りそれに厳格に従うと、経済的には非常に高くつく。それをかい潜って安く現実的に解決しようとすると、後で責任を問われる。体験談でもあるのだが、公務員になって一番得をする人は、あまり働かず、しかしサボらずに出勤して給与と年金をもらう人なのだ。
2)辞書(広辞苑第二版)で見ると、このように書かれている。「地下水:地層・岩石の空隙や割れ目に存在し、重力の作用によって流動する水。自由面地下水と被圧面地下水とがある。飲用・灌漑・工業用水などに利用」とある。またウィキペディアには学問的視点から地下水についての詳細な記述がある。
3)環境基本法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO091.htmlやそれに付随した文書http://www.env.go.jp/kijun/tikat1.html(環境基準値が示されている)を見ても、法の目的として「地下水の水質基準を定める目的は国民の健康で文化的な生活を守るためとしか書かれていない。地下水の水質基準については、「飲用などに供する場合の基準」と何故明確に書けないのか?それが、この問題が大きくなった一つの理由だと思う。

2017年3月18日土曜日

人の評価の物差として、善悪より美醜がより普遍的だが。。。。

1)一週間ほど前に、一年以上前に書いたある事件に関するブログ記事に対し、コメントをもらった。その返事も兼ねてここに人間の行いの善悪について書く。事件とは、ある介護ヘルパーが、88歳の老人を介護する際に数千円の現金を盗んだ件である。隠しカメラを仕掛けた親族が発見し、赦しを請うヘルパーを警察に突き出し、その映像や音声データなどをテレビ局にも渡した。テレビ局で放映されたのだが、情報提供に対し謝礼を渡さなかったとの断りは特になかった。(補足1)

この件に関して、親族の行為はやりすぎではないかと書いた記事に、「ヘルパーとしての賃金ももらって、さらに窃盗までするヘルパーには、慰謝料も支払ってもらうべきです。ただの泥棒より、たちがわるい。」というコメントをもらったのである。 http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42650671.html#43195544 

この種の介護では、老人と二人きりになる場合がほとんどなのだから、分かりやすい所には現金を置かない工夫とか、窃盗行為を防止できるように用意していることを、予め知らせる工夫はできなかったのか?自分たちが本来するべき老人の介護を代わってしてもらっているという、本来の社会における仕事の意味を正しく理解しているとは思えなかったのである。(補足2)

勿論、その介護ヘルパーは犯罪人として警察の厄介になるのは当然だが、隠しカメラとマイクで周到に証拠をつかみ、警察に突き出す行為に“醜さ”を感じたので、裁判で弁護人となった気持ちで書いたのがそのブログの文章だった。そのコメントに対する十分な答が出来なかったことが本ブログ記事を書く動機の一つである。

更に、隣国がドイツに“北朝鮮の喜び組という性奴隷の少女”をモデルにしたような像と旧日本軍が韓国人の少女を強制連行して性奴隷にしたという嘘を書いた石碑とを建立して、日本を攻撃することに対する怒りも動機の一つである。 http://www.sankei.com/world/news/170309/wor1703090029-n1.html

2)人間の行為を形容することばに善悪や美醜がある。ある行為が善か悪かは、一般的な社会のルールに違反しているかどうかで決まる。一方、美と醜で評価する場合、必ずしも善が美に、悪が醜に対応するわけではない。

人は言うまでもなく生命体であり、生命体は他の生命を奪って生きる宿命にある。その奪われる命の中には、人のものも含まれる。限られた空間とその資源では、地球は無限の命を収容できないのである。しかし、人の命を奪うことは、当然善悪の物差しをあてれば極悪だろう。つまり、全ての人間が善の中に分類されることは不可能であり、自分が善であるとの前提で人を裁くのは愚かなことだと思う。

つまり、ある行為の主と対象となる人が異なるグループに属するばあい、更に、異なる国に属する場合、善悪は行為を評価する物差しとしては役立たない。従って、美醜の方が人の行為を評価するより普遍的な物差しと言える。

自分の近親者の介護を自分に代わって行っている介護ヘルパーに対して、その行動に猜疑心をもってカメラとマイクを仕掛け、千円札数枚を抜き取った場面の証拠をとって警察に突き出す行為は、罠を仕掛けてネズミを捕獲するような行為に見え、醜い行為に見えたのである。

また、自分たちの国の貧しい情況や戦争という極限情況に対する想像を封じて、併合されていたことに対する雪辱を果たすべく、日本を攻撃するための口実を捏造して世界の至る所に少女像と、日本人を攻撃する碑文を掲げる韓国の人たちの醜さを指摘したいのである。また、それに共鳴する振りをして、競合する日本国を引き摺り下ろそうとする西欧の醜くさも指摘したい。

3)この100年間、所謂科学技術文明の発展が人間の生きる空間を大きくした。世界大戦が終わり、平和な先進国に生じたのが、全ての人間が善を装って自由に生きられるという幻想である。その美しい幻想の時代に先進諸国で定着したのが自由主義であり民主主義ではないだろうか。その環境で産まれて生きた現在の人間たちのなかで、将来生き残れるのは早期に自分たちが生きるのは他の犠牲においてのみ可能だと気付いた人たちだろうと思う。

現在世界の歴史はそのような極点に到着している。その世界にあって22世紀に生き残れるのは、世界最強の国(米国やロシア)、現実的に対応できる絶対者が舵取りをする国(例えば中国)、そして、政治的に永い伝統を持った国家の中で保守政党が政権を握った国(英国など戦略に長けた西欧諸国)だと思う。つまり、強いものや狡いものたちが生き残れるのである。

生き残るための現実主義的考え方に対して、あくまで表の平和や人権などの論理で政府与党を攻撃するのが、革新政党と呼ばれる野党なのだろう。上記の次世紀に生き残る国は、淘汰される可能性のある国の中に(特に野党議員やマスコミ人として)、多くの諜報員を潜り込ませていると考えた方が良いと思う。その結果の一つとして、所謂革新政党に国の舵取りを任せば、国家としての道を誤る危険性が高いことを、既に国民の多くは気付いている筈である。(補足3)

現在朝鮮半島や中国が、日本の政治が混乱することを期待していて、そのように隠れたところで画策しているとしても、それは非難すべきことではなく、常識的な対応だと思う。実際に過去から現在まで日本の政治が混乱しているのは、特別な仕掛けで育てられた(P-trapやMoney-trap)人たちの活躍の結果かもしれない。

過去の非常時の出来事に対して、歴史の中に送り込み未来へ向かっての外交を約束した後にもかかわらず、人権尊重や性差廃絶など平時の善悪の基準に訴え、日本を攻撃する韓国の醜さ。それに共鳴する振りをしている西欧のずる賢さ。かれらに怒りを覚えるだけでは、そこから何も学んだことにならない。彼らは、上記歴史の転換点における生存競争において、生き残ることを真剣に考えていると考えるべきである。

結論であるが、人、人の集団、国家などの評価を行う際、思考の土俵(空間)を拡大すると、先ず善悪が役立たなくなる。そして、「生き残る」という生命の本質に関わる時、美醜も役立たずになるのである。

補足:
1)社会に警鐘を鳴らすためなら、報酬はうけとるべきでない。また、その犯罪現場がテレビ放送されたことは、加害者に対する処罰の追加に等しく私刑(憲法31条違反)に当たるので、映像や音声は警察だけに提出すべきである。
2)人間は社会を作り協力して生きている。その協力とそれへのお返しという、二人の間での協力関係を、お金を媒介にして多数の人の協力の輪に拡張したのが、労働と賃金という関係の本来の意味である。
3)社会党の党首が総理大臣になったことがある。そのときの談話が、未だに日本の政治的立場に悪影響を及ぼしているのは周知の通りである。 また、社会党元委員長、勝間田清一はコミンテルンのスパイであったと言われている。

2017年3月17日金曜日

森友学園問題、日本会議、天皇元首制の下での自衛軍保持

森友学園問題は、非常に深刻な問題を提起している。不公正な国有財産売却の問題も重要であるが、もう一つ、その学園の経営する塚本幼稚園で行われていた教育を、多くの政権与党の見学者が賞賛していたことも、それ以上に重要である。つまり、この問題に関わった人たちに共通するのは、日本会議という所謂右翼組織に参加していることである。そして、その幼稚園の教育は日本会議の本質を明確に示していると思われるのである。

具体的には、その幼稚園では教育勅語を暗唱させる教育をしており、そのことに政権中枢の議員たちは感心し歓迎しているのである。教育勅語にある、「もし危急の事態が生じたら、正義心と勇気をもって皇室の運命を助けなさい(一旦緩急あれば義勇公に奉じ以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし)」が、彼らの描く日本人のあるべき姿なのである。

その事実は、現在政権中枢にある与党メンバーの多くは、天皇は戦前の様に国家元首として日本人を束ねる存在でなければならないと考えていることを示している。そして、かれらの理想は、その天皇の権威で自分たちの統治が簡単になることなのである。これは明治維新の薩長下級士族の姿勢であり、彼らがあの戦争から何も学んでいないことを意味している。

その考えが既に発表されている自民党の憲法原案に反映されているが、それに基づいたシミュレーションの一つが塚本幼稚園での教育だったのだ。

今上天皇が“象徴としての天皇”の役割を深く考えておられることを、昨年国民へメッセージとして出された。それにもかかわらず、彼らは戦前の憲法にあるように、天皇を国家元首とする憲法草案をまとめた。

国民のほとんどは、この自民党憲法草案を読んでいないだろう。憲法改正に関しては、9条第二項の改正(自衛軍の保持)のみ強調されているが、それと天皇元首制とを組み合わせば、戦前の憲法に近くなるのである。私は、日本国は独立国として自衛軍をもち、核武装もすべきだと考えている。しかし、その軍は天皇を元首とする国家にはふさわしくない。従って、自民党原案を元に議論を開始するのなら、現在の政権による憲法改正に反対する。

2017年3月16日木曜日

政治を更に混乱させる森友学園問題

1)昨日のBSフジのテレビ番組プライムニュースにおいて、大阪府松井知事、民進党と共産党の議員各一名、内閣顧問の飯島氏の出席で森友学園の問題が話し合われていた。途中から見たのだが、森友学園への無料での国有地売却問題の概略がわかった。

核心部分は二つある。一つは、大阪府の学校開校認可と大阪財務局の売却が、協奏的に行われた事である。つまり、大阪府の学校開校認可が豊中市の土地売却の前提であり、豊中の土地の取得が大阪府の学校開校認可の前提なのである。もう一つは、8億円値引きした財務省との売買契約の怪、航空局からのごみ処理費などの名目で1億3176万円を手に入れた事、更に、国土交通省「平成27年度サステナブル建築物等先導事業」に採択され6200万円の補助金交付が決定されたことなど、国による極めて異常な学園への法の枠内での支援である。

森友学園がこの土地の取得を希望したのが、2013年4月であるが、その2年ほど前の2011年に、既に別の学校(近接する音楽大)が7億円で購入を希望している。その後、2012年4月に国交省から「大量の埋設物がある」と知らされ、見積もりをゼネコンに頼んだ。撤去費をふまえ、7億~8億円だった購入希望額を約5億8千万円に下げたが財務局から低いと指摘され、断念したという。このあたりは、財務省や国交省の連携が考えられる。

2)この件、詳細に報道しているのが朝日である。朝日新聞デジタルによると豊中市は2013年4月、約472平方メートルを特定有害物質の汚染区域に指定したという。(森友学園の購入地の面積は8000平方メートルあまり)  汚染地区に指定された年の2013年9月、森友学園はこの土地の公募売却に応募したという。なぜ、汚染地区に指定された土地を売却に出すのか疑問である。

2015年5月、財務局は森友学園と10年間の定期借地契約と期間内の売買予約契約を締結した。2015年中に、森友学園が全域の深さ3メートルの地下までから、コンクリート片など720トンや、鉛などの汚染土1090トンを除去。これにより汚染区域の指定は解除された。2016年3月に、近畿財務局に借地ではなく買いたいと申し出た。同じ年の6月に、ごみ撤去及び処理費8億円を差し引いた、1億3400万円で売却を決定している。

このあたりでは、豊中市と大阪財務局の担当者や理財局長などとの連携が疑われる。きょうのテレビで報道されているように、この小学校の建設には、現役閣僚の支持があったというから、この問題はこれから本格的になるようだ。鍵はやはり、安倍総理や稲田防衛大臣ら自民党の大半が所属している日本会議だろう。

籠池氏は全部喋ってもよいという姿勢である。それは脅しなのだろう。籠池氏がこのような学校法人を経営するのは、単に金儲けのためなのか、それとも最初に書いたように(深読みすぎるかもしれない)、元々日本政府の劣悪なレベルを諸外国に宣伝する意図があるのかのどちらかだろう。 http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43189523.html (このブログサイトでは、2017/3/02の記事) http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43184287.html (このブログサイトでは、2017/2/26の記事)

2017年3月12日日曜日

朝鮮半島の切迫した状況:米国は韓国をどうするのだろうか? 

 激動の朝鮮半島周辺を考え、今後の動きを想像してみたい。本文に入る前に、筆者はズブの素人なので、以下はそのレベルの覚書(メモ)であると宣言させてください。私的なものとは言え、このような文章を書くのには抵抗はあります。しかし、北朝鮮のミサイルの標的が日本国と宣言されていますので、敢えて書きます。

朴槿恵大統領の弾劾により、韓国の大統領選挙は5月におこなわれるだろう。親北朝鮮派の人が大統領に当選する可能性が高いと報道されており、北朝鮮主導の統一朝鮮になるのではないかと考える向きもある。http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/11/who-is-next-president-rok_n_15292826.html

この流れのままでは、米国のTHAAD配備は中止されて、韓国は中国との関係改善と北朝鮮との統一の可能性が出てくる。そのプロセスの第一歩がスタートしたのだが、米国は今後どうするのだろうか。

韓国の人たちは、現在の北朝鮮と北朝鮮の主導で合併するなど、歓迎しない人が多いだろう。特に軍にそのような人が多いのではないだろうか。また、米国が北朝鮮のICBM開発を阻止するつもりなら、この数ヶ月にしかそのチャンスはないだろう。

つまり、大統領選挙までに朝鮮戦争の再開の可能性が高くなる。https://www.youtube.com/watch?v=EIbvWurXFJA&t=28s 2015年と2016年の8月の米韓軍事演習は2週間ほどだった。今回は2ヶ月と非常に長いのだが、そのような事態も想定して決められた可能性があると思う。軍事演習のままに先制攻撃するのである。(補足1)最近、在韓米軍家族の沖縄への避難訓練が行われているという。 https://www.youtube.com/watch?v=NNaP7rozmPw

米国はすでにオバマ政権の時に、北朝鮮を米中露の信託統治国にする案を、関係国に打診したと言われている。(補足2)信託統治と言っても、どうせ中心になるのは米国だろうから、中国にはすんなりと乗れない話である。現在、じっとしていても親中国および北朝鮮政権が韓国にできるのならなおさら、そんな案には乗らない。

それと気になるのが、南スーダンからの自衛隊の引き上げである。この件、例の森友学園の問題から目をそらすためという報道もあったが、その理由付は非常にわかりにくい。しかし、以下の解釈の方が多少とも分かり易いのではないだろうか。つまり、朝鮮戦争の再開に向けて日本も万全の備えをしておかねばならないという理由である。

金正恩を排除したのちは、金正日の異母兄弟でどこかの大使をしている人など、北朝鮮のトップ候補は何人かいる。目的は北朝鮮からの核兵器等、生物兵器や化学兵器等の排除である。その後、数年して米国は北朝鮮と講和をし、経済復興の金を日本に出させるのである。日本は米国のいうことなら、なんでも聞くので、金持ちである間は米国にとっては良きパートナーである。

日本人として残念なのは、北朝鮮の軟着陸への誘導、つまり、米国、韓国による北朝鮮の承認、日本との日朝基本条約の締結&経済復興への援助などを、小泉総理の時にやっておけば、これら全てをより抵抗なくできていただろうし、拉致被害者も救出できただろうということである。この時、米国が許可しなかったのだろうが、米国はその責任は取らないだけでなく、その真実も明らかにさせないだろう。

(17時25分編集)

補足:

1)例えば、韓国軍による軍事クーデターを工作するのが最も簡単な筋書きだろうと思う。その軍事政権の下で、戦う。(素人ですので、この部分は特に読み飛ばして欲しいところです。)
2)現代ビジネス配信のニュース(2/27 am;週刊現代3月4日号)によると、(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170227-00051039-gendaibiz-bus_all&p=1)オバマ政権末期の昨年12/17に来日したラッセル国務次官補が、オバマ政権後も北朝鮮政策は維持される(つまり話し合いによる平和解決などなく)と明言し、米国の意向は米中露による北朝鮮の信託統治であると政府高官に言ったという。

2017年3月11日土曜日

感覚(感情)が論理に優先する東アジア圏の国々:裁判所がデモ隊に阿る韓国と教育勅語を暗唱させる幼稚園教育を批判できない日本

1)東アジアの国々では、公の空間でも論理が感覚に優先しないようである。その一つの具体的現象として、これらの国々では法治主義がまともに機能しない。法を運用するのには、論理に最高の価値を置くことが肝心である。そして、法が実情に合わなくなれば、いい加減な解釈で誤魔化すのではなく、法を改正することが大事である。

それらの国々として我々に身近なのは、韓国であり日本である。ほかの国々も同様だろうが、この二つの国について考えてみる。この表題を思いついたのは言うまでもなく、昨日の韓国大統領弾劾罷免の決定である。昨夜のBSフジでのプライムニュースでは、韓国に詳しいゲスト二名の意見はともに世論に圧された形で憲法裁判所が弾劾妥当の判決をだしたと発言していた。

それ以前に韓国の論理軽視感覚や感情重視の国柄は、対馬の仏像の件もそうだが、 “親日とラベルされた者の財産を没収する法律”が韓国に存在するという信じられない事実で明らかである。この様な法律を定め運用しながら、日本と国交を結び外交をおこなっている無神経さ、更にそれを国内問題であるからと特に外交上の障害と考えない日本の無神経さは、当に両国には法を制定し用いるだけの論理や知性がないと言える。

日本での例をあげると、”平和憲法”の現実無視条文とその非論理的解釈だろう。憲法前文や憲法9条の条文は、人類の歴史など無視して理想論を書いている。その第9条第二項を無視して、自衛隊という名の軍隊を持っている。更に、それが問題になった最高裁判所では、論理に従って違憲判決を出して行政に憲法改正を促すという司法の役割を放棄し、自衛隊合憲という判決をだしている。昨日の件で韓国を笑う日本人が多いだろうが、そのような人々は天に唾するという言葉を思いだした方が良い。

2)日本に関して言えば、その原因は言語の出来が悪いことと、そのために言語を軽視する文化が定着したということである。韓国のことについては韓国語を知らないので考察の対象外であるが、ほぼおなじ分析で解釈可能だろうと想像する。この件、何度も同じことを書くので抵抗を感じるのだが、敢えて繰り返す。

その一番わかり易い例は、読経の文化である。死者の霊を慰めるのか極楽往生を助けるのか知らないが、例えば三回忌などの法事のときには、坊主と親族が経を故人の位牌の前で上げる。しかし、その内容については坊主以外はほとんど理解していないし、坊主の理解も怪しい。

一般に“言語の出来が悪い”とは、読んだだけで、或いは、聞いただけでは、語られた文章の内容(論理)を瞬時に理解できないことを意味する。その結果、日本の文化の一つとして、文章を先ず暗唱させる教育が古来行われてきた。江戸時代には寺子屋で論語などを暗唱し復唱する姿がよくテレビドラマなどで出て来る。

そこでは、意味の理解は次の課題であり、最初に暗唱することが必須である。これほど愚かな教育があるだろうか?記憶力の悪い子供は、その文章に関してその時点では門前払いに等しいのである。そして、その内容についての解説や生徒同士の議論で理解を深める教育は、皆無である。

3)もう一つ、元々単独に書く予定だったのだが、ここで例として上げる。最近のテレビのワイドショーは、森友学園の国有地不正取得の問題で独占されている。そこで屡々話題になったのが、そこが経営する塚本幼稚園の運動会での異様な宣誓の場面である。例えば、そのなかで「有事法制国会通過よかったです。安倍総理がんばれ」と園児に言わせている。その場面については、出演者が声を揃えて異常だと言うが、もう一つの「教育勅語の暗唱」については誰も何も言わない。

一昨日だったか、籠池理事長が自分の幼稚園の優れた教育について記者団の前で自己宣伝をする場面があった。そこで、教育勅語の中の文章を引用して、(教育勅語などを暗唱させることを含めて)学園の教育のどこが悪いのかと居直っていた。それについて、現場およびスタジオで、誰も何も言わなかった。一般紙(新聞)も、この事件が明らかになって以来、教育勅語を幼稚園児に暗唱させることの異常性についてあまり書いていないのではないだろうか。

この異常な事態は、日本国は韓国同様、ナショナリズムの空気が醸成されてきていること(補足1)の証明でもあるが、日本国は文章に人を支配する力がない国だからでもある。

戦後日本の政治は、皇国史観から抜け出した筈である。その皇国史観を真正面から唄い、それを子どもたちの人格の中に叩き込むのが塚本幼稚園の教育勅語暗唱教育である。それは、人格権の侵害であり、憲法違反である。そのような教育をしている本人を前にして、記者やレポーターと呼ばれる人たちは何も言えないのである。

現在、天皇と国民の関係は、君主と臣民の関係ではない筈である。そして、教育勅語の中の「一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」という文章を現代語にすれば、「戦争になれば、勇ましくあなたの命を捧げて、永遠に続く皇室の運命を助けなさい」という位の意味になる。それを現代の幼稚園児に暗唱させ教える異常さに、どこのメディアも何も言わないのである。

補足:

1)天皇を元首とする憲法改正案が自民党でつくられている。安倍内閣の下で憲法改正が議論されるとした場合、その草案がたたき台になるだろう。その憲法草案作成の中心になったのが、日本会議という自民党国会議員の主要メンバーが参加する団体だ。

2017年3月9日木曜日

中国やロシアが、韓国のTHAADシステム配備に反対する理由について(II)

追加:(3/14)THAADシステムはミサイルを撃ち落とす能力はあまりないとのことです。地域の軍事バランスを崩すという中国とロシアの意見は、THAADシステムのミサイルでの地域での攻撃能力増加にあると思われます。この件、十分な情報が無かったため、見過ごしました。この情報は以下の記事にあります。http://tanakanews.com/170314korea.php

1)北朝鮮のミサイルを対象にして、米国からTHAADシステムが韓国に導入されようとしている。このことに中国は激しく反発していることが、非常にエゴイスティックであると一昨日非難した。しかし、何か別のメカニズムで中国が不利になることがないのか、素人であるが考えてみた。

あるサイトに、THAAD用に米国の高性能レーダー(AN/TPY-2)が韓国に設置されると、中国のミサイルに対する米国の探知能力が飛躍的に向上すると書かれている。つまり、中国と米国の戦略兵器のバランスが崩れ、中国は高性能のミサイルの開発を急ぐ必要に迫られることになるというのである。http://www.huffingtonpost.jp/ian-armstrong/thaad-china_b_11763794.html

上記記事には専門的な記述であり分かりにくいが、ざっくり言うと中国から米国に発射されたICBMが韓国で探知され、より確実に撃ち落とされるという意味だろう。そのうち、日本にも配備されるとの話もあり、何段にもTHAADが配備されると、中国の現状の戦略核兵器が、対米国という意味では無力になるというのである。

そうなると、米国に対して屈辱的な外交しかできなくなる。現在のような世界の二大覇権国として振る舞うには、戦略兵器において米中間のバランスを維持する必要がある。それには、中国は極超音速ミサイルや多弾頭型のミサイル(MIRV)を急いで開発し、それらに置き換える必要がある。

それには多大の経費を必要とする。従って、財政に対する重荷を覚悟してミサイル開発を急ぐか、北朝鮮に本気で核開発を止めるように圧力をかけて、THAADの配備を止めさせるか、どちらかが必要になる。しかし、北朝鮮に圧力をかけ、北朝鮮が暴発したり崩壊したりすれば、難民が大量に中国になだれ込み、非常に深刻な事態になる。どちらにしても大変なことになるので、韓国に強く反対の意思表示をしたのだというのである。

2)以上の筋書きが正しいとすると、米国がTHAADを米国内のみに配備しても、中国から発射されたICBMを撃ち落とせないと中国は考えていることになる。

ICBMは、地球の裏側まで届かなくてはならない。そのため、かなりのエネルギーで上空に打ち上げる必要がある。詳しい計算は簡単ではないが、恐らくロケットに地球周回のエネルギー程度を与える必要があるだろう。そうすると爆撃地点に高速、例えば7キロ・毎秒(第一宇宙速度程度)くらいで落ちてくると思う。真上からに近い角度で、そのような高速で落ちてくる物体を打ち落とすのは至難の技だと思う。

例えば、元外交官の孫崎享氏は、迎撃ミサイルでは撃ち落とすことは無理だと言っている。https://www.youtube.com/watch?v=fgEgdXuXsvk 

また、北朝鮮からソールを攻撃するには短距離ミサイルで十分であり、その防御にほんとうにTHAADが必要なのだろうか。この点を韓国はどう考えているのだろうか。

兎に角、以上の理由から、米国が韓国に配備するTHAADの本当の目的(米国の)は、北朝鮮のミサイルの迎撃でなく、中国の戦略核兵器を韓国で検知し、そこで落とすことだと思う。(補足1)

そう考えると、中国が非常にナーバスになるのも分かる。バランスが崩れるのは、米国と中国の軍事バランスであり、地域の緊張を高めるので反対だというのは、お互いに建前で話をしているのだろう。或いは、中国の言う地域の緊張とは、中国が本気で北朝鮮に干渉しなければならず、それにより北朝鮮と中国の関係が緊張するという意味だろう。

補足:

1)ロケットが上昇するとき重い燃料を搭載しているので、最後の燃料を燃やすときに最大加速度になる。従って、上昇中のミサイルの方が、落下するミサイルよりも圧倒的に撃墜が簡単である筈。そして落下して来るときも上空では幾分速度は遅く、着弾するときの速度が最大である。ウィキペディアによると射程200km; 高度は40-150km;弾頭速度2.5 km/sだと書かれている。同じくウイキペディアのICBMの最高高度の1000-1500kmから計算すると、落下してきて射程に入った時のICBMミサイルの速度は、優に4km/sを超えている。それを2.5 km/sの速度の弾頭で撃ち落とすことになり、その難しさが容易にわかる。(補足を3/10/7:00に追加)

2017年3月8日水曜日

中国やロシアが、韓国のTHAADシステム配備に反対する理由について

1)中国やロシアの韓国や日本へのTHAAD配備に関する声明:
韓国国内へのアメリカのTHAADシステム(Terminal High Altitude Area Defense)配備に対して、中国とロシアが強く反対している。その反対の論理は、“THAAD配備は地域の緊張と軍拡競争を誘発させるもの”である。ロシア系の日本語サイトで紹介された、ロシア外務省声明を引用する。

“このような行為は、米韓がいかに根拠を並べ立てようが、グローバルな戦略的安定に、最も否定的な影響を及ぼすだろう——米政府は、グローバルな戦略的安定の忠実な支持者であるとよく言いたがるにもかかわらず。またこの行為は、地域の緊張を高める危険をはらみ、朝鮮半島の非核化をふくむ複雑な諸問題の解決をいよいよ難しくする”と述べている” https://jp.rbth.com/politics/2016/07/09/610097

中国の考えもほとんど同じである。稲田防衛大臣の声明によれば、現状では日本にその計画はないにも拘らず、外交学院国際関係研究院の周永生(ジョウ・ヨンション)教授は、日本がTHAADを導入するのではないかと疑って、以下の声明を出している。

”日本はすでにパトリオットミサイルを保有しており、THAADは必要ない。日米がTHAAD配備で一致すれば、北東アジアの一部の国の利益を脅かす可能性が高い。THAAD配備による日米同盟の強化は中国とロシアの安全や利益を損なうことになる。中露は、自国の防衛力を高めることで対抗するしかないだろう”http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20161124/Recordchina_20161124022.html

2)これら両国の意見はどういう意味だろうか:

THAADは防衛システムであり、攻撃システムではない。それにも拘らず、ロシアの外務省や中国の関係者の声明では、地域の緊張を高めるというのである。 つまり、“自国の軍事力が隣国の国民を皆殺しにする能力を維持することが、その地域の政治的安定に必要である”と勝手に言っているのである。その論理の身勝手さに気づいてこのような発言をしているのだろうか?

ただ、この論理がほぼ正しい場合も存在する。それは、そのような発言をする国が、①政治的にも経済的にも周囲に比べて安定しており、他国を危険に陥れる可能性が無いこと;更に、②異常事態が生じたとしても、他国民に犠牲を強いてまで自国民が生き残るという利己主義を持ち合わせていないと断言できる場合;である。

中国とロシアに、上記①および②を主張する資格があるだろうか。中国にとってのウイグルやチベット、旧ソ連(ロシアはその中心だった)にとっての東欧や中央アジア諸国などを考えれば、そのような主張にふさわしくない国と言えるのではないだろうか。また、経済状況を考えても、両国は日本や韓国に比べて、現状安定しているとは言い難い。

つまり、ロシア経済は、石油や天然ガスの輸出に頼っているのだが、価格の低迷でこの数年苦境にある。中国経済も、鬼城(33億人が住めるくらいだそうだ)の建設でGDPを押し上げているが、外貨の逓減は経済危機の危険性を暗示している状況である。勿論、そのような主張にふさわしい国があるのかと問われれば、それにもNOと答えざるを得ない。

国際社会は、有史以来弱肉強食の関係が支配してきた社会である。現在も、多少の国際法や国際機関があるものの、中国やロシアはそれを無視する傾向にあるのは周知の通りである。その両国が、隣接する小国が攻撃兵器ではなく防衛兵器を整備するだけで、上記のような攻撃的な批判をする姿勢を見ればわかるように、100年前同様現在も弱肉強食の世界であると断言できる。

そのような世界において、国境が人類を区分けする最も明確な壁だとすれば、自国民が今後生き残るための最も重要な手段は、他国を圧倒する軍備を持つことである。中国やロシアの声明は、上記のような理由から身勝手にすぎると言える。しかし歴史を考えれば、特別に非難すべきことではなく、真理を再確認しただけのものである。従って、その声明を出す権利は当然あるが、それ以上の暴力的手段を取るのは自分の論理を自分で否定することであると、特に両国には自覚してほしい。(つまり、地域の緊張をたかめているのは、中国やロシアである。20:00追加)

2017年3月6日月曜日

 現政権の考える憲法改正のポイントは、第9条ではなく第1条「天皇を国家元首とする」である

1)森友学園騒動:
森友学園騒動から学ぶべきことは多い。その一つは政治の腐敗は未だに深刻であることである。近畿財務局の官僚たちに、そして官僚一般に関心があるのは、自分たちの身分と出世のみであり、良識など期待できないことである。(補足1)

更に重要なことは、①森友学園の理事長が日本会議の執行委員の一人であること、その籠池理事長が経営する②塚本幼稚園での異常な教育、更に、③自民党主力議員の多く(安倍総理や麻生副総理を含めて240名ほど)が日本会議の重要メンバーであること、(補足2)以上3点の交差するところに何があるかということである。

塚本幼稚園での異常な教育は、園児に教育勅語を暗唱させたり、運動会で「安保法制国会通過よかったです」などと宣誓させたりしていることで明らかである。(補足3)この異常さは、日本会議の政治方向と無関係ではないと思う。日本会議の本音が強調されて出ているのだろうが(補足4)、それは我々一般国民にとって、今後の政治と日本会議との関係を考える良いヒントを与えてくれると思う。

日本会議は、自主憲法制定や皇室典範を改定して天皇家が男系で安定的に継続されるようにすることなどを、重要な日本の課題と考えている。そして、現在政権を担当している自民党議員の主力がそこに参加し、且つ、党の日本国憲法草案を作った中心もそこに含まれている点に注目すべきである。

2)現政権の考える日本国憲法改正のポイントについて:
日本国憲法の改正のポイントは、現在の第9条2項に関するものだとおもうだろう。しかし、私はそれだけではないと思う。自衛軍の保持は、どの独立国も当然のことと考えているだろうから、何の問題も生じないだろう。日本国も、憲法を改正して独立国家らしく自衛隊を自衛軍と改名し、「交戦権を持たない」などの法的な縛りをなくすべきだと思う。また、現在のように国家の自衛を他国の軍事力に大幅に頼る体制を改めるべきだと思う。

ただし、それを指揮するのは100%国民の代表と言える存在であるべきであり、それが、昭和の大戦時のように、どこにあるのか分からないようになる可能性を残すべきではない。つまり、憲法を改正する際に注意すべきは、自民党憲法草案第一条にある天皇を国家元首にするという思想である。(補足5)

私は、明治維新以降の日本の政治を国家として再評価することなく、天皇を再び国家元首にすることには反対である。その理由は、天皇がその時代の権力に屡々利用されてきたからである。明治時代初めには薩長勢力に利用されてきたし、また、昭和の大戦時においては軍部に利用されてきた。その歴史について国家としての再評価がなされていないし、歴史教育として国民に周知されてもいない。

日本会議は、天皇元首制を用いることで国民を統合して、その統治を容易にすることを考えているのだと思う。そして、その様な真実と論理に基づかない権力の行使が、非常に危険であることを示したのが今回の森友学園の騒動である。14億円の国民の財産を奪い取ることなど小さなことである。それよりも国民の命を消耗品の如く使った、先の大戦をおもいだすべきである。

3)前進するためにはこれまでの総括が必要:
国民の総意で政治を行うには、公の空間とそこでの議論が必須である。しかし明治以降の日本国には、それを支える文化も言語空間もなかったと思う。そして現在も、東アジアの半文明国の状態から抜け出せていない。つまり、日本のこの130年間は、西欧の模倣(もっと悪く言えば猿真似)の歴史だったと思う。

その証拠に、既に述べたことであるが、近代史のレビューは(補足6)一切されていない。それは、行動の一つ一つに論理的説明を付けることが不可能だからである。論理的でない政治には強引な力が必要である。時の権力が、その力として利用してきたのが天皇という存在ではなかったか?

例えば、明治維新では、天皇という地位を乗っ取り利用して、時の権力者を葬るのに利用した。(補足7)その後の政治システムの近代化は確かに偉大な革命であったが、それは西欧の国の指南のままに行われたという考えが有力である。何故なら、薩長の武士にそれを生み出す歴史も知性もある筈がないからである。(補足8)

先の大戦において、天皇の統帥権という明治憲法の条文を利用した軍の暴走があったにも関わらず、それに関する日本国独自のレビューは一切されず、それらの責任者を尊い命を捧げた英霊とともに、靖国神社に合祀した。そして戦後、国家のトップは何の抵抗も感じることなくそこへの拝礼を繰り返してきた。このことは、中国などの批判などなくとも、国内からも批判されるべきである。(補足9)

そのような歴史があるにも関わらず、日本会議の設立宣言の第二段落に「有史以来未曾有の敗戦に際会するも、天皇を国民統合の中心と仰ぐ国柄はいささかも揺らぐことなく、云々」と書かれている。そのような思想的背景の下、日本会議とそれが主要なる力を持つ現在の自民党政権は、改正憲法において天皇を国家元首と規定し、自分たちの権力のバックアップを企んでいるのである。

補足:

1)官僚機構は手足であり、そこに“良識”という意思を期待する方が間違いだろう。それなら、パソコンやネットで大幅に事務効率が上がったのだから、もっと人員削減がされて良いと思う。 この件、司法のレベルでは不正があったと断定されていないが、これまで報道された事実から、不正が存在したと判断する。以下その前提で書く。
2)日本会議国会議員懇談会というのがある。そこに、参加する国会議員の名簿が掲載されている。
3)森友学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)で2015年10月に行われた運動会において、組体操に先立って行われた園児4人が右手を挙げて行った選手宣誓の中身を以下に記す:「尖閣列島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心を改め、歴史教科書で嘘を教えないようお願いします」、「安倍首相ガンバレ、安倍首相ガンバレ、安保法制国会通過よかったです」。http://www.j-cast.com/tv/2017/02/27291624.html
4)今回の騒動は、籠池氏が日本会議を利用して、大きな利益を得ようとしたものと考えられる。日本会議におもねるために、日本会議の方向に沿った教育を強調して実施して見せたのだと考えられる。
5)日本国民の統合を、安易に天皇を元首にして、それに頼るべきではないと思う。改正憲法では、天皇の国事行為を削減し、象徴と呼ぶにふさわしいようにすべきだと思う。国民の統合は、日本の歴史と文化を学ぶことで行うべきだと思う。明治以降の歴史においても、プラスとマイナスの両面あるが、誇りを持てる歴史であると思う。
6)レビューとは審査や総括、或いは再度検討すること。
7)孝明天皇は大政奉還後も幕府とその官僚を頼っていた。それが邪魔になった薩長と下級貴族らは、孝明天皇を排除し、それがあまり周知されることのないように江戸に遷都したという説がある。
8)司馬遼太郎の明治維新の解釈は司馬史観と言われて人気があったが、現在の歴史家はそれを否定している。例えば、「明治維新という過ち」(原田伊織著)など参照。
9)これについては、3年ほど前に書いたブログ記事を引用します。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/41369336.html

2017年3月4日土曜日

石原元知事の責任問題:豊洲市場への移転を決めた件

1)昨日日本記者クラブにおいて石原慎太郎元東京都知事の会見が開かれた。そこで、豊洲市場への移転問題についての石原氏の責任について議論された。この件、私には石原氏の言い分がほぼ正しいものと思えた。

先ず、築地市場の老朽化などがあり、新しい市場の建設が必要であることに異論はないことを確認したい。http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/faq/01/ その上で、どこが引越先にふさわしいかなどの検討と、その際にどの程度の予算を組む必要があるかなどの検討を東京都の職員がそれぞれの専門知識を用いて検討する。

予算案を決定する最終責任は都知事にあり、それを議会に提出し、議論の上で決定されたのだろう。その手続きに不正がない限り、都知事にその後責任問題は生じない。繰り返すが、決定責任は都知事にあるが、責任問題は生じないのである。

ここで、上記「都知事」と言う言葉を一般が正しく理解しているかが気になる。ここで言う「都知事」は、当時知事を務めていた石原慎太郎氏個人ではない。(補足1)

会見で石原氏が言っていた言葉を私流に理解して再現すると:夫々の専門家が自分の知識や技量を用いて、その地位に付随する責任を果たす形で決めたことに、口を挟む必要を感じなかった。そして、それを総合した移転案が当時の知識と知恵で適当であると判断したのである。

このように受け取ったので、私は石原慎太郎氏個人に対して責任追及する理由は何もないと思った。

2)購入土地に関する瑕疵担保責任について:

豊洲市場の土地を東京ガスから購入したのであるが、その際に瑕疵担保責任を外した形で購入したことが一部に問題視されている。しかし、これも手続き上、全く問題はないと思う。瑕疵担保責任を外して購入すると言うことは、それだけ安く購入することを意味しており、主として予算の問題である。

東京都は、その予算を節約して、将来土壌汚染が大きな問題にならないと判断したのである。もし、その思惑が外れたとしても、それは不運であったと言うことに過ぎない。

3)盛土の問題:

盛土の問題は、どこかに手続き上の不備がある可能性が高いと思う。その責任は、責任部署の誰かが、上に上げるほどの案件でないと判断してしまったのだろう。その責任を追及するのは、実りあることならすれば良いと思う。

しかし、専門家の意見では、盛土をしないで地下に空間を残す方が地下水の水質や建物の腐食の度合いなどの調査などに便利であり、且つ、建物の強度には全く影響がないと言う。それなら、盛り土をしなかったことに関する手続上の問題を調査しても、利益にはならないだろう。

4)豊洲に移転をしないでランニングコストを無駄にしている責任:

これは、明確に現在の知事の責任であると思う。これについてはすでに書いている。豊洲市場の建物の地下空間から、ベンゼンが飲用水用に設定された環境基準の79倍検出されたのが、まるで大問題の様に言うのは間違っている。それが地上に漏水で出てきて、空気中に環境基準を超えるレベルのベンゼン濃度を記録すれば別である。そんなことになる筈がない。長年化学の研究者としてやってきたものの一人としてそう思う。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42953114.html

補足:

1)都知事には二つの意味がある。都知事というポストと、その地位にある個人である。豊洲移転とそれに関係したことを決定したのは都知事というポストであり、石原氏個人ではない。つまり、その決定の責任は都知事というポストにある。したがって、仮に都知事に私人に対する賠償責任が生じた場合、決済をするのは現都知事である。石原氏個人の責任問題に発展するとしたら、その決定の際に手続き上のミスがあった場合である。

2017年3月3日金曜日

日本と東アジア諸国との間で、歴史認識で揉める理由

1) 上島嘉郎氏(別冊「正論」元編集委員長)の「石破茂を決して総理大臣にしてはならない理由」と題する動画(youtune)を視聴した。その中で、石破茂氏が中国のメディアの質問に答える形で、「先の日中の戦争は侵略戦争であった」と発言したことに触れ、それを理由に石破氏を総理にしてはいけないと話している。 https://www.youtube.com/watch?v=ZnafECoiDWE&t=227s

上島という人は、歴史を事実の集積であると解釈している。そして、GHQ史観は彼らの理解する事実に反していて、それを中国の記者に認めた発言をしたとして、現役政治家の石破氏を批判している。そこで、私はコメント欄に以下の意見を投稿した。

歴史の解釈変更は学者(世界中の)が行うべきです。しかし、石破氏の発言は現役の政治家としての意見でしょう。謝罪は、講和条約後する必要はないと思いますが、講和条約で合意した内容(戦争の動機や形態など)を否定する見解を、現役の(歴史家ではなく)政治家はできないと思います。あなたは歴史が分かっておられない。歴史はファクト(facts)ではなく、物語です。従って、勝者の歴史が残るのです。

それを認める代わりに我々日本人は生存権を得たのです。その祖父の代の涙の決断をあなたは否定できるのですか? だから、戦争に負けてはいけないのであり、負ける戦争をした(&戦争に導いた)政治家は靖国に祀るべきではないのです。

岡田英弘著の「歴史とは何か」くらい 読んでください。因みに、日本書紀は日本民族の歴史と言って良いのですが、facts(事実)ではありません。


2)昨日の投稿に追加します:

日本会議所属の方などがよく引用する、「マッカーサーも議会証言で、日本の戦争は自衛のためだったと認めている」という事実がある。しかし、マッカーサーは朝鮮戦争の際に、司令長官を解雇され、その時の鬱憤もあってあのような発言をした。その考えは、米国の歴史認識となっていない。

歴史解釈(関係する両国間)の修正は、勝者側の同意で可能となる。それには長い年月とそれまでの政治の進行、更に、歴史学者の知識の一般民への浸透が必要だと思う。一方、政治家の持つべき基本的姿勢を決めるのは、過去の名誉の回復も最終目標として存在するが、それよりも現在と未来の民族(国民)の安全と幸福だと思う。

上島氏が動画で以下のように発言している、「帝国主義の時代に、日本の大陸進出だけが「侵略国家」として追求されるのはおかしいのではないか」と、田母神氏の論文を引用して言っている。そして、「日本の政治家が歴史解釈を修正しようとすると、米国や中国はそれを「日本の軍国主義の復活」という言葉で、封じ込めてくる」と。そこで、上島氏は「何故でしょうか」と視聴者に質問している。

その答えに、上島氏はGHQの7年間にわたる日本統治をあげている。そのWGIP(占領軍の日本人洗脳計画)は、確かに日本人に過去の戦争に対する罪悪感を植え付けただろう。しかし、上島氏のあげた答えは間違いである。私の答は、日本が戦争に負けたからである。そして上島氏のグループの方々の”臥薪嘗胆すべき時に、負け惜しみを言う”姿勢を、愚かなことであると評価する。

上島氏らの勢力は、過去の歴史評価にこだわり、その時の日本の政治勢力に古い日本を引きずることを強いて、日本がまともな国家になることを妨害してきたとも言える。もし、日本がそのような右翼的な行動を取らなければ、そして、講和条約が認めた新しい日本として、古い日本の影を払拭して国際社会に参加しておれば、今頃は改正憲法の下で自衛軍を持っていた可能性が高いと思う。

何故、所謂右翼の人たちは、臥薪嘗胆できず、そのような長期の戦略が立てられないのか? 

北朝鮮の体制転覆は暫くないだろう

1)前回の北朝鮮に関するブログ記事で、“この3月中にでも米国は北朝鮮高官と両国の関係改善について話し合う予定とのことである”と書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43183556.html しかし、米国トランプ政権でのの産軍の力が強くなり、和平路線は消えたようだ。

この結論も田中宇氏のブログの受け売りであるが、田中氏がトランプ大統領の独自路線を過大評価して読み違いをし、今回の田中氏のブログはその訂正記事だったのかもしれない。http://tanakanews.com/170302military.php

また、現代ビジネス配信のニュース(2/27 am;週刊現代3月4日号)によると、(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170227-00051039-gendaibiz-bus_all&p=1)オバマ政権末期の昨年12/17に来日したラッセル国務次官補が、オバマ政権後も北朝鮮政策は維持される(つまり話し合いによる平和解決などなく)と明言し、米国の意向は米中露による北朝鮮の信託統治であると政府高官に言ったという。その信託統治下で、北朝鮮のリーダーとなると考えられていたのが金正男であり、彼の暗殺は、それを察知した北朝鮮によるものだというのである。

この記事には、2013年12月に中国を訪問したバイデン副大統領により、中国に北朝鮮のトップ交代が提案されたと書かれている。北朝鮮対策を詳細(真剣?)に考えていなかった習近平は茶を濁した。その時すでに米国は、近いうちに張成沢は処刑されることを知っていたと書いている。

ラッセル国務次官補は留任してので、北朝鮮の信託統治案は未だ生きているだろうが、中国の賛意を得るのは難しいだろう。米国の提案に乗る場合、信託統治の中心には米国が常に存在するからである。3月1日から米韓合同演習が始まり、北朝鮮と米韓の間に緊張が高まっている。北朝鮮は中止されない限り、先制攻撃能力を高めると威嚇しており、韓国側も口先で応酬している。

北朝鮮は、トランプ政権への過激な口撃はさけているようであり、現米国政権に一定の期待を持っているようである。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170301/k10010895201000.html?utm_int=detail_contents_news-related-auto_001

2) 一方、金正男のDNA鑑定ができないで、暗殺事件はうやむやに終わる可能性が出てきた。DNA鑑定するにはマカオに中国により囲われている息子から、サンプルを採取すれば、必ずしも息子のマレーシア訪問はしなくてよい。しかし、それができないのは、中国に反対があるからだろう。そして、マレーシア警察に逮捕されていた北朝鮮人は、嫌疑不十分のままに釈放されるようだ。

これで、暗殺されたのが金正男であることの最終確認ができないまま、事件の幕は降ろされそうである。それには、中国からマレーシアに対する圧力があったと考えるべきではないだろうか。

これらの事実は、暴れん坊の金正恩の北朝鮮が中国にとって迷惑ではないということを意味する。それは、国連で制裁決議をしても一向に中国からの制裁が進まないことでもわかる。つまり、中国の防衛線は38度線であり、その北側に米国の力が及ぶことなど北朝鮮の体制がどうあろうと、忌避するだろう。適当に暴れものであれば、それを制御できる中国の国際舞台での発言力は強くなるのである。

米国は、独自に(日韓の賛意はあっても)北朝鮮を攻撃するなどできない。あり得るのは唯一特殊な方法で、金正恩を暗殺することだろうが、一歩も外国に出ない金正恩を暗殺するのは大変難しいだろう。

要するに、これまで通り、最終的には爆発する風船を金正恩は更に大きく膨らませるだけであると思う。その風船を割るのは、おそらく中国だろう。米国はずっと前に朝鮮戦争の終結をすべきだった。東アジアに混乱の種を残すという、悪の報いは本来米国が受けるべきであるが、その時東に逃げ去るだろう。

その際に、第三次大戦にはならないと思う。米国も核戦争は望まないからである。その朝鮮有事の後、朝鮮半島は統一され中華秩序の中に入るだろう。そして、米国は東アジアに残留する力も理由もなくなり、日本は西太平洋の孤児となるだろう。中国と朝鮮にこれまで以上にいじめられ、領土と富を失うようになると思う。出来るだけ早く、日本独自の防衛政策を考えるべきであるし、そのために、国民に広く現在の脅威を、国際政治の真実を知らせるべきだと思う。

(以上は一国民の素人的感想を書いただけです。其のつもりでお読みください。)

2017年3月2日木曜日

森友学園の敷地不正取得疑惑は安倍総理が中心になって明らかにすべき

 森友学園の問題、やはり自民党議員が絡んでいた様である。鴻池氏が潔白宣言をしていたが、学園理事長が訪問して金を渡そうとしたことまでは認めた。「政治家の顔を札束で叩くのか」と怒ったというが、叩くのも撫でるのも紙一重の差だ。政治資金としては数十万受け取っていたのだから。

とにかく、誰かの勧めか自分の判断か知らないが、金で鴻池氏を動かそうとしたことは事実である。そして、学園理事長の籠池氏は、未だに日本ではそのような手段が有効であることを知っているのである。

一方、気になることを孫崎享氏が言って居る。https://www.youtube.com/watch?v=NAgocjO0SZg&t=1578s 財務局は、鴻池氏レベルが動いただけではあのようなことはやらないだろうというのである。つまり、何らかの形で安倍総理を利用して居る筈だという。それは直接的でなくとも、財務局と交渉する際に、安倍総理を森友学園の背後に感じさせるように話を進める場合も含まれる。

確かに学園は、一時期安倍晋三学園と自称しているし、安倍昭恵夫人が名誉校長にもなっている。そのような動画を持参して、財務局などに交渉に行けば、あのような結果になるかもしれない。市価最低でも9億円する土地に(補足1)、何らかの言い訳のための仕掛けをして(ゴミ撤去費とか)契約に至った可能性が高い。確認しないのは、裏の世界で悪事を働く場合、阿吽の呼吸で意思伝達するのが流儀だからである。

安倍総理は、薄々昭恵夫人との話などで、森友学園の計画を察知していたのではないだろうか。こうなった以上、自ら経緯を明確にして責任を果すか、或いは、財務局に命令するなりして経緯を明確にさせるべきである。(補足2)

その学園では幼稚園児に教育勅語を暗唱させたりしている他、更に、運動会で「安保関連法国会通過よかったです」とか「安倍総理ガンバレ」などと言わせているのである。それらの画像が、ネットなどに流出して、日本の総理大臣の名誉を著しく傷つけている。http://yuruneto.com/tukamoto-abe-ganbare/

学園が、安倍晋三の名をつけた名称を名乗った以上、安倍総理に思い当たることがなければ、法的手段をとるべきである。森友学園の名誉校長になっていた安倍昭恵夫人は、私人ではあるが日本の総理大臣の夫人であり、ただの一私人ではない。

日本国のファーストレディーが、短期間とは言えあのような学園の名誉校長では、日本国民として非常に恥ずかしい。総理は、私人だからという理由で昭恵夫人に何のおちども不正もないというが、総理自身に自分の女房の脇の甘さにまで、責任があると思う。法的ではなく、国民の信頼にたいしてである。

これはすでに国難のレベルであり、長引けばそれだけ被害が大きくなるだろう。

以前書いたように、この学園の理事長は中国系か韓国系だろう。右翼を装いながら、本当は反日の筈だ。今頃、まともな右翼は幼稚園児に教育勅語を暗誦させるというような教育をしないと思う。極端な右翼教育を世界に宣伝して、安倍総理を、そして日本国を、歴史修正主義者とその集まりであるという印象を宣伝するつもりだろう。その学園の中に政治的不正があればあるほど、その効果は絶大となる。

補足:
1)豊中市野田町10の固定資産税路線価は11万円/m2位である。http://www.chikamap.jp/ 通常、実売価格は固定資産税評価額の4割増し位であり、また、同程度の面積の隣接地が14億円で売買されたという記事があるので、実勢価格はその程度だろう。
2)前回のブログ記事では、この件について中途半端な知識で、国会であまり本質的でない質問を長々としないようにしてほしいという趣旨でを書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43184287.html(本サイトの26日の記事に同じ)

2017年3月1日水曜日

技術特異点と日本の立ち遅れ

1)技術特異点とは、技術の発展を人間が担うのではなく、汎用人口知能(artificial general intelligence; AGI)が担うことになる点(段階の節目)である。その横軸は技術的発展の度合いであり、ほぼ時間軸に並行する。最近、レイ・カーツワイルという人の本(補足1)で急に注目されるようになったが、その人はその特異点(singularity)が訪れる時点を2029年と言ったらしい。2045年位という人もいる。

このシンギュラリティ(補足2)という言葉をより分かりやすく表現した人は、統計家のI.J. Goodかもしれない。(ウイキペディア参照)その人は技術特異点を超知的マシンの出現と考え、そのマシンがそれを超えるマシンの開発を行い、その後は人間の介在する余地がなくなるのである。その最初の超知的マシンが人類の最後の発明となり、以後の発明は人知を超えたマシンによりなされる。この言葉は1965年にだされている。従って、この議論の歴史は古い。

これはSFの世界の出来事のようであるが、今やそうでないような気がする。そして、気になるのがその技術的特異点にどこの国の技術が最初に到達するかということである。その競争に勝った国が多くの新規技術を知的所有権という形で抑えれば、世界の技術分野を制覇する可能性がある。 人間を超えた例えばAIGロボット(或いは機械)は、次第に漠とした目的を入力すれば、新しい技術開発の方向も方法もAIGが決める様になるだろう。(補足3)

もっと近いところでは、すべての家庭内の装置から工場の機械や自動車などがインターネットで繋がり、ほとんどのものの利用がインターネットを通してされる時代が来る。これをIoT(Internet of things;モノのインターネット)と呼ぶらしい。モノの状態を第二のモノがインターネットを通して感知し、第三のモノがそれに対して応答する様な時代がそこまで来ているのだ。

この技術開発が世界で凌ぎを削っている時に、日本がこれらの分野非常に立ち遅れているというのである。その様な日本の遅れは、停滞の20年ではなく、没落の20年につながる可能性大である。

2)現在、日本は他国に比較して長年続いた経常黒字を蓄積しており、世界一の債権国である。それにも関わらず、新しい産業に投資する様子はあまり見られず、また、設備投資やインフラ整備をして生産性向上を目指すなどの兆候もあまりない。その金は死蔵されたまま、日本経済の没落とその後やって来るかもしれない円安により、紙くずに変わる可能性すらある。

その原因は、日本国に全体としての意思(と方向)がないことである。そして、日本国民一般にスピリット(パワーやエネルギー)も危機感もなく、関心のあることと言えば本能に根差すことに加えて、健康と長寿となっている。(補足4)その結果、健康産業に医療や薬剤関係の仕事が安定しているとして、高校の優秀な生徒は医学部や薬学部に進学する。(補足5)つまり、国民が医師が最高の職業であると思う誠に志の低い状態にある。

人材が大事であると言いながら、政府は大学の授業料の無料化などという役に立たない政策しか思い当たらない。それは、改革には抵抗を打ち破る信念とエネルギーが必要であるが、日本の政治家はほとんどが職業政治家であり、「如何に無難に国会の椅子を確保するか」だけしか心にないからである。そして、栄光の大企業であった、東芝、シャープ、三菱自動車などの没落は特別な現象ではなく、日本社会全体の崩壊の序曲ではないだろうか。

今こそ、中学生や高校生が、自分たちの目の前に多くの分野が幅広く広がっており、自分の能力を活かせるところにも、社会的地位や給与の高い花形の職業が存在すると、心から思う様な教育が必要である。そのためには、家庭や学校が世界の広い国々とそれらの状況に目を向ける必要があると思う。そうすれば、必然的に日本の危機を正しく理解し、その情報を家庭内で学校や社会で交換することになると思う。その全体の空気の中で、優秀な技術者や研究者がそれぞれの分野で育つのである。

そのためには、従来の既得権益を破壊する必要がある。例えば、医学部の新設など自由にして、誰でも医者になれる様にすれば良い。そして、優秀な医者のみが生き残れる様にすれば、結果として国民の健康増進につながるだろう。薬局で棚から薬を取り出して、袋に入れて患者に渡すだけの仕事にどれだけの価値があるのか。これらが難関学部であるという理由で、その分野への向き不向きに関係なくだが秀才が集まる弊害をなくすべきである。

そして、労働文化も、従来の様に会社という封建組織に家臣として就職する様なものではなく、労働を提供して賃金を受け取るというノーマルなものに変えるべきである。そうすれば、新卒採用が一流企業に就職する唯一の機会であるという、労働力の流動性が異常に低い、他国と比較して非常に弊害の多い労働文化は次第に消滅するだろう。(補足6)

補足:
1)Ray Kurzweil著 “The Singularity is Near”,小野木明恵訳
2)Singularityとは特異点の意味。数学用語では、微分不可能な点で、そこでの将来予測(横軸が時間の場合)が不可能となる点である。
3)IoT(続きの文章の中にある)の背景で高度なAIGロボットができれば、ほとんどの人に(人相手の仕事以外)働く必要などなくなるかもしれない。現在、掃除ロボットは電源を探して自分で充電する。やがて、汚れたところを探し出して、掃除する様になるだろう。その後、家の環境全体を受け持つ様になる。人が入力する情報は次第に少なくなり、ついには明日のスケジュールに基づいて主人に持ち物や服装まで進言するロボットに進化するだろう。その後、しばらく後のある時点で人に震源ではなく指示する様になり、人を超えたロボットは人のような意思を持つ事にならないだろうか。それは第二の技術特異点(テクニカル シンギュラー・ポイント)となる。そうなれば、“彼ら”の価値を人間が決めるのではなく、“彼ら”が人間の利用価値を決めることになるかもしれない。
4)朝鮮半島には自分たちが危機感を持って国家の近代化に邁進した、日本の明治維新の時の様な経験がないため、現在のテイタラクがあると言える。それは、李氏朝鮮時代は巨大な中国の顔色さえ見ていれば良いという危機感のない時代が続いたのが原因だろう。中国を米国に変えれば、李氏朝鮮は現在の日本ではないのか?そして、現在の半島のテイタラクは、近い将来の日本である。
5)理工系全学部学科のトップ(東大理科1)の難易度(偏差値)は、医学部医学科の10位と同じ難易度である。理工系花形の京大工学部情報学科の難易度(理工系8位)は、島根や福島という地方大学の医学部(65-70位)の難易度と同じである。http://www.toshin-hensachi.com/rank/
6)昨年、電通での過重な時間外労働の結果、東大卒の女子職員が自殺に追い込まれた事件が話題になった。それは労働市場の閉鎖性(労働の流動性のなさ)が原因であると指摘した。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2016/10/blog-post_8.html

金正男を友人と語る男の利己主義

2月13日に暗殺された金正男には、5年前から暗殺指令が出ていた。その暗殺司令のきっかけの一つとなったと思われるのが、G氏という東京新聞の記者が書いた本「父・金正日と私、金正男独占告白」という本だという。金正男にとっては、本の出版は意外で望まないことであり、「ご理解をお願いします。北朝鮮の政権が、私に危害をもたらす可能性もあります」とメイルで出版をやめるようにG氏に依頼した。

つまり、出版など無いという前提で、報道人であるG氏へのインタビューに答えたのだろう。それでも出版に踏み切った真意について、G氏はこう話したという。「彼の立場ならそうでしょう。ただ、北朝鮮が17年間統治した指導者を失い、どの方向に向かうかはっきりしない中で、長男の意見を広く世間に伝えるほうが、意味があると考えました。さらにこの本を通じ、正男氏のイメージが変わり、多くの人が関心を持つようになれば、逆に正男氏にうかつなことはできなくなると思います」

G氏は、「金正男は、本を出すならわれわれの関係は終わりだと言っていました。本への反応はありませんが、たぶんどこかで入手して読むでしょう。そしてまた連絡してくれることを願います」と話したという。http://www.asagei.com/excerpt/3582

そのG氏が、金正男の暗殺後にインタビューに答えている。「残念のひと言です。北朝鮮のことを、あれほど率直に語ってくれる人はいませんでした。それが、こんなことになるなんて……」沈痛な面持ちで語るのは、かつて金正男(享年45)に7時間インタビューし、計150通もメールをやりとりした「金正男の友人」の東京新聞編集委員である。このように記事に書かれている。

「」内に友人の文字が入っているのは、G氏が言っているだけで、だれも友人とは思っていいないからだろう。

これらのG氏の発言とその報道に、人間としての違和感を感じるのは私だけだろうか。勿論、金正男はキム王朝の中にあって、マカオなどで北朝鮮の武器や麻薬などの違法ビジネスで金を稼ぎ、複数の邸宅と複数の女性を囲っている嫌な男であるという指摘が事実だとしても、である。https://news.yahoo.co.jp/byline/ishimarujiro/20170225-00068075/

若干警戒心に薄い注目の男と友人的な関係を築いて巧みに取材し、命が危ないので出版はやめてくれという願いを無視して、金儲けのために出版したG氏。「私はプロの記者でありそれで生きているのだ」と言うのなら、それも一つの生き方だと認めることは可能だが、そうはしないであくまでも友人関係を主張するズル汚さにはうんざりする。

出版する意義として主張した論理、金正男が暗殺されたあとのコメントを聞いて、人の汚さを改めて見た思いだ。

(これは公にされた本の出版趣旨について書いたもので、個人攻撃のつもりで書いたものではありません。)