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2017年12月7日木曜日

放送法64条が合憲だとする最高裁判決について

1)放送法第64条は、「テレビを視聴可能な状態で設置したものは、NHKと視聴契約をしなければならない」と規定している。今回、最高裁は、その強制契約が合憲であると判断した。

一方、日本国憲法は、憲法13条(個人の尊厳)と憲法29条(財産権)で契約の自由を保障している。これら憲法の条文は、何れも「公共の福祉に反しない限り」と枠をはめている。従って、今回の最高裁判決は、テレビを設置しながらNHKと視聴契約をしないことは、公共の福祉に反する行為であるということを意味する。

法律面からNHKの公共性を裏打ちするように、放送法第3節にはNHKの経営委員会の設置、委員の選定、職務等が記載されているので、法的には今回の判決は整合性があるようだ。この点、昨日の記事は誤っていることを認めざるを得ない。(補足1)

つまり、NHKの放送内容とか、国民の知る権利を確保する上でNHKが不可欠かどうかなどは、最高裁の判断することではないということである。法的な整合性のみ最高裁は判断するのであり、NHKの受信料のシステムが時代錯誤的であるとすれば、それを改めなかったのは立法府の怠慢であり、その修正を指示することは最高裁の仕事ではないということだろう。

2)受信者が契約を拒否した場合、NHK側は「この契約は、契約の申し込みをNHKが行った時に成立し、支払うべき受信料はテレビを設置したときに遡る。」とこの放送法64条を解釈している。一方今回の判決では、NHKが裁判を起こして勝訴した時に視聴契約は成立し、「受信料支払の義務は、テレビ設置の時点に遡る」としている。

このNHKが裁判をおこして勝訴することで契約成立と見做すという点を取り上げ、NHKが全てのテレビ設置済の未契約者を対象に裁判を起こすことは困難であるとして、NHKは敗訴したのだと宣伝する「不払い運動の指導者」もいる。https://www.youtube.com/watch?v=80J1hzVRXdk

しかし、スタンプを押すように、被告欄に名前を書くだけで訴状が出来上がるのなら、それほど困難ではないだろう。今後、NHKの現状やその受信料のあり方を不適当と考えて居られる方々は、その運動において別の戦略を取るべきだと思う。つまり、相手にすべきは総務省及び国会であり、最終的には放送法を改訂させる方向を考えるべきだろう。

放送内容への干渉は経営委員会で可能だが、有識者として選任されるのは異なった分野での成功者が多く、期待薄である。

3)この情報化社会にあって、NHKが未だに国民の知る権利を実現するための不可欠な存在だというのは、時代錯誤の極限だと私は思う。現在、我々国民が知る権利を十分活用しえないのは、情報が提供されないからではない。何が本物の情報であり何が作為的に流された情報であるかの識別方法を持たないことである。その点に関して、後で述べる様にNHKの報道は、知る権利を侵害する側である。

繰り返しになるが、各種情報をしる上でNHKに頼る必要は殆どない。現状では、国会中継などを除いて、NHKは何の役割も果たしていない。公共放送としての役割は、現在のNHKの五分の一で足りるのであり、その意味では視聴料は現在の五分の一以下で良い筈である。

国会中継や総理大臣談話などの公共放送として重要な部分には、例えば、NHKの一つのチャンネルを完全に使い、その放送の経費のみをテレビ設置税として徴収すれば良い。その税の根拠は、丁度自動車税と相似であると思う。公共放送を受信する上で、視聴料を支払わなければならないという論理は、私には理解不能である。

それ以外の娯楽番組は、民営化して視聴料を徴収するなり、民間などからスポンサーを受け入れるなりすればよい。前者の方法をとるのなら、未契約者のテレビ画面にはスクランブルをかければ済むことである。現状NHKは、立法府や行政府の怠慢により、抱き合わせ商法で金を稼いでいるといえる。今回最高裁は、その行為に免罪符をあたえたことになる。

つまり、三権夫々の立場から、NHKの現状を擁護しているのである。

4)NHKの放送内容であるが、公共放送を標榜しながらその質や姿勢は国民の利益に合致しているとは思えない。例えば、1996年に放映した「51年目の戦争責任」では、慰安婦募集に関連して軍が出した通達文を改竄して紹介し、不正な方法を用いてでも慰安婦を調達せよと命じていた証拠を突き止めたとして、その非道を糾弾してみせた。http://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/4d3e5b172db4f6f8f032777a918177ba(補足1)

NHK受信料の契約を渋る多くの人達は、この国益に反するNHKの“公共放送”に不満を持っているのである。そのNHKの姿勢が原因なのか結果なのか分からないが、近い過去(自身或いは親)に朝鮮半島などにルーツを持つ人を多く採用していると聞くが、それも国益に反する放送を生む土壌となっていると思う。その根拠は、以前書いたブログ記事をご覧ください。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43060935.html

補足:
1)昨日の記事では、一方的に最高裁の判断を契約の自由を根拠に間違っているとしたが、「公共放送が国家の機能として必要である」と考えられれば、放送法64条の規定は合憲ということになる。現在のNHKの実態が、その役割を果たしているかどうかの審査や、現在のような大きな組織が必要かどうか、視聴料金が高すぎるのではないか、などの判断や適正化への指導などは、総務省や経営委員会の仕事である。
2)慰安婦問題については、朴裕河氏の「帝国の慰安婦」(日本語訳)が公平な視点でかかれている。朴裕河氏と思われる人のブログ記事を私が訳したものを引用しておく。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2017/07/blog-post_15.html (17:00、補足1の加筆)

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